縫製で見せ場を作るなら、布選びが勝負を決めると考えている。
アリアドネの衣装なら、光沢と落ち感を両立できる素材が中心になると思う。まずベースにはサテンやシルク混の布を使って身体に沿うラインを出すと美しい。フォルムをしっかり保ちたい部分には芯地(接着芯やハードインターフェース)を入れて補強すると、写真映えがぐっと良くなる。重みが必要ならビロードやベルベットで高級感を出すのも手だ。
装飾には薄手のオーガンジーやシフォンを重ねると透け感が出て神秘的になる。エンブレムや装飾パーツはフェイクレザーや合皮にゴールドのアクリル塗料を塗って作ると扱いやすい。立体パーツはEVAフォームで下地を作り、表面をウォーブラ(Worbla)や熱可塑性樹脂で整える。塗装はプライマー→アクリル塗料→メタリックのドライブラシで質感を出すのが定番だ。
金具や刺繍、ビーズワークも重要なアクセントになる。スワロフスキー風のクリスタルや真鍮の飾りを使えば光を拾って映える。縫い合わせは強度を意識して二重縫いや補強テープを使い、接着にはE6000や瞬間接着剤を用途に合わせて選ぶと安心。過去に'ゼルダの伝説'風の衣装を手掛けた経験があるので、布と樹脂の組み合わせでうまくバランスを取れば、アリアドネの雰囲気をしっかり再現できると確信している。