Tu Tan Kamonといえば、その独特の水墨画タッチと幻想的な世界観で知られる作家ですね。代表作として真っ先に思い浮かぶのは『墨鬼』シリーズです。この作品は古典的な妖怪譚に現代的な解釈を加えたもので、登場するキャラクターたちの陰影に富んだ描写が特に印象的でした。墨の滲みやにじみを活かした表現技法は、ページをめくるたびに一幅の絵画を鑑賞しているような気分にさせてくれます。
もう一つ外せないのが『百鬼夜行抄〜現代怪異録〜』でしょう。こちらは日本各地に伝承される妖怪たちを、現代社会に溶け込ませた形で再解釈したアンソロジー作品です。コンビニでアルバイトする座敷童子や、SNSにハマる河童など、ユーモアとペーソスを織り交ぜたストーリーが特徴です。特に京都を舞台にした「宵闇通り雨」のエピソードは、妖しくも美しい情景描写が評判を呼びました。
最近では『月下香』という新作が話題になっています。中国の民間伝承をモチーフにしたこの作品は、装丁にもこだわりが見られ、特殊加工された表紙からは実際に香りのするインクが使用されているのだとか。物語の繊細な心理描写と相まって、五感で楽しめる作品としてファン層を広げています。