ゾンビパニックものの小説でまず思い浮かぶのは、マックス・ブルックス作の『ワールドウォーZ』だ。この作品は単なるゾンビアクションではなく、世界各地での感染拡大をドキュメンタリー風に描いているのが特徴。各国の文化や政治体制がゾンビ対策にどう影響するか、という深い社会考察が読みどころ。
特に興味深いのは、北朝鮮が国民全員の歯を抜くという過激な対策を取るエピソード。これはゾンビに噛まれるのを防ぐためという設定で、現実の独裁政権を思わせる不気味なリアリティがある。戦場ジャーナリストが各国を回る形式なので、様々な視点から人類存亡の危機を捉えられるのも魅力だ。