ゲームの情景はプレイヤーを没入させるための鍵だと思う。'The Last of Us'の廃墟となった都市の描写は、単なる背景ではなく、キャラクターの孤独や絶望を増幅させる装置として機能している。草木が生い茂る廃墟を歩くたびに、文明の崩壊というテーマが皮膚感覚で伝わってくる。
情景デザインが優れている作品は、ストーリーを語る必要すら減らせる。'Shadow of the Colossus'の広大な荒野は、言葉より雄弁に主人公の覚悟と悲しみを物語っている。環境そのものが感情移入の媒介になるのだ。視覚的な手がかりがプレイヤーの想像力を刺激し、物語の余白を自然に埋めていく過程こそ、ゲームならではの表現と言えるだろう。