細部にこだわるほど魅力が出るタイプだ。
トウヤのコスプレを再現する際は、シルエットと素材感の再現を最優先に考えた方が全体の説得力が増すと感じている。まず、公式資料を複数角度から集めて、前後・側面のラインを確認すること。私はそれを基に自分の体型に合わせた補正を入れることで、単なる既製衣装よりキャラクターらしさを出している。
服の作りに関しては、生地選びで半分は決まる。トウヤが着ている衣装がマットな質感なら、中厚手のコットンツイルやポリエステル混紡が向くし、光沢のある部分があるならサテンやフェイクレザーでアクセントをつける。縫製のポイントは縫い目の方向とトップステッチ。肩の立ち方、襟の返り、袖の傾きなどは内側に芯地(インターフェース)を入れて形を安定させると映える。着用時に生地が引っ張られる箇所にはダブルステッチで補強すると安心だ。
髪型はウィッグのカットとスタイリングで劇的に変わる。私はウィッグの芯をしっかり作って、耐熱仕様のワックスとヘアスプレーで形を固定している。前髪の流し方や顔周りの毛束の出し方で表情が全然違うので、顔の輪郭に合わせて毛量を調整するのがコツ。目元はコンタクトで色味を寄せ、アイラインやシャドウでキャラクター特有の目つきを演出する。小物は単純な再現で終わらせず、質感を出すために塗装やエイジングを施すと一気にリアリティが上がる。素材は軽さ優先で、EVAフォームやファルカタ材を使うと長時間の着用でも疲れにくい。
撮影を見越した準備も忘れずに。動いたときの見栄え、立ち姿、表情の癖を練習して、本番でキャラクターの“らしさ”を出す。私の場合は鏡の前でポーズを取って写真を撮り、微調整を重ねることで満足いく仕上がりにしている。細部の積み重ねが命なので、妥協せず楽しんで作ることがやっぱり一番だと思う。