再現度を重視するなら、まずシルエットの正確さに集中するのが肝心だ。
トリッシュのラインは曲線とカットの美しさが特徴なので、肩やウエストの位置をきちんと取るためにトルソーや自分の身体を測ることから始めた。私がやったのは基本型紙を作って、そこから何度もトレースして微調整すること。特に胸元のカッティングと腰の高さは見た目を大きく左右するポイントで、ここを現物合わせで何度も詰めた。
素材選びも裏テーマのように重要だと感じた。光沢のある合皮や柔らかめのストレッチ生地を使うと、アニメの質感に近づく。だけど伸びすぎると形が崩れるから、裏に薄手の接着芯や裏打ち布を入れて補強するのが私の定番テク。金属の飾りやジッパーは本物に近いものを選ぶと写真映えがぐっと良くなる。
最後は仕上げのディテールで差をつける。縫い目の処理をきれいにする、縁にステッチを入れて輪郭をはっきりさせる、そして小物類は色味を合わせて経年感を出す。撮影で正面だけでなく斜めからの見え方もチェックして完成。ここまでやると、着た瞬間の存在感が本物に近づくと実感できた。