語感が強い単語だが、英語へ移すときにはいくつかの選択肢が浮かぶ。
私の経験だと、僥倖は「unexpected good fortune」や「a stroke of luck」と訳すのが一番無難で、文語的・劇的な場面なら『源氏物語』のような古典的な文脈にも馴染む表現になる。微妙なニュアンスとしては、僥倖はしばしば“偶然に訪れた、しかもどこか人の力だけでは得られない好運”を含意するから、“a fortunate fluke”や“an unexpected blessing”とも言える。
具体例:日本語で「彼の成功は僥倖だった」と書かれていたら、英語では"His success was a stroke of luck."や"It was an unexpected blessing that led to his success."のようにする。文脈次第で“serendipity”という語も検討できるが、こちらは“巧みな発見”という含みが強いため、単純な偶然の幸運を指す場合は注意が必要だ。こうした語感の違いを踏まえて使い分けると、日本語の“僥倖”が持つ奥行きを英語でも伝えやすくなると思う。