忘れてはいけないのが声優の演出と音響監督です。キャスティングが巧みだとセリフに深みが生まれるし、音響演出が優れていると日常の些細な音まで物語に取り込まれていきます。
僕は声の使われ方に敏感で、同じセリフでも演出次第で印象が変わるのを何度も見てきました。声優の力量だけでなく、演出が声のテンポや間、呼吸をどう設計しているかを見ると作品の方向性が読めます。参照例としては『
四畳半神話大系』のように独特の語りと音響で世界観が組み立てられている作品を思い出すとイメージしやすい。
小さな演出の良し悪しは最終的に視聴体験を左右するので、クレジットに音響監督や演出助手の名前があればそこにも注目してみてください。些細な選択が積み重なって大きな満足につながるタイプの作品は、スタッフの細部へのこだわりが結果に直結します。