細かい仕立てと耐久性の両立を考えると、縫製の前工程が重要になる。採寸と型紙作りに時間をかける派の私が意識しているのは、可動域を意図的に確保するマージンを型紙に入れること。例えば肩や膝のラインはスリットやガセット(マチ)を仕込むと、シルエットを崩さずに腕脚が動かせる。
素材の縫い方もポイントで、フェイクファーは毛の流れに沿って縫うとほつれが少ない。縫い代は内側に倒して補強し、ストレスが
掛かる箇所は二重縫いや仕付け糸で仮留めしておくと安心だ。汚れ対策としては内側に汗取りの生地を追加し、洗えるパーツは取り外し可能にすると長く使える。私はいつもイベント後の扱いも見越して作るから、壊れにくさとメンテのしやすさを両立させる設計にしている。
付属の目パーツや爪などは着脱式にしておくと移動や保管が楽になるし、複数パターンを用意して写真の方向性を変えられる。細部の工夫が全体の印象を左右するので、工程を分けて検証することを勧めたい。