実用的な視点から言うと、歴史的正確さとイベントでの利便性を両立させる方法を考えるのが好きだ。マリア・テレジアの宮廷服は儀礼用と日常着で差があり、法事や
戴冠式のような公式の装いは豪華な刺繍と金糸が多い。私はまずどの場面の衣装を再現するかを決め、それに応じて素材と装飾を振り分けるようにしている。
縫製面では、芯材をしっかり入れたコルセットにバスティング糸で仮縫いをしてから最終の仕立てに入ると、身体に沿った美しいラインが出る。胸当て(ストーマー)には裏打ちをしてから模様を施すと耐久性が上がる。髪型は高くするよりも左右の形を整えるほうが歴史的に近く、ウィッグの内側に軽いワイヤーやフェルトを入れて形を保持するテクニックを多用している。
仕上げの小物選びも重要で、たとえば勲章やリボンの色合わせで時代感を出せる。完成したときの重さと動きやすさを何度もチェックするのが、長時間のイベントを乗り切るコツだと感じている。