直訳すると『snake』となりますが、日本語の『へび』が持つ柔らかさや音の響きは失われます。『金色の鱗』や『夜の匂い』といった具体的な描写は、英語では『scales of gold』『the scent of night』と訳せますが、原文のニュアンスを保つには工夫が必要です。特に『あなたを飲み込みたい』という表現は、そのまま訳すと『I want to swallow you』となってしまい、攻撃的な印象を与える可能性があります。
この曲を訳す作業は、単なる言葉の置き換え以上の作業になります。『へび』というタイトル自体が持つ日本語の響き——短くて鋭い音節——は英語の『snake』では再現できません。歌詞に登場する『月明かりに濡れた』のような表現は、『drenched in moonlight』と訳せますが、日本語特有の情緒的な曖昧さが消えてしまいます。
面白いのは、歌詞中の『絡みつく』という動詞。英語では『coil around』『entwine』『constrict』など複数の訳し方が可能で、どの単語を選ぶかで曲の印象が変わります。『毒があるって知ってた』というフレーズは、『Did you know it was poisonous?』と訳せますが、日本語の語順が持つ不気味さを維持するには語順の工夫が必要かもしれません。