『狼と香辛料』は
ロレンスという名の商人を主人公にした作品で、中世ヨーロッパを思わせる世界観が魅力的です。彼は旅先で出会った狼の神ホロと共に、様々な街を巡りながら商売の駆け引きや人間関係のドramaを繰り広げます。
この作品の面白さは、経済的な駆け引きが戦闘シーンの代わりになっている点です。ロレンスは決して最強の主人公ではありませんが、その知恵と商才でピンチを切り抜ける様子に引き込まれます。ホロとの会話のやり取りも軽妙で、時に深い人間模様を描き出すのが素晴らしい。
ファンタジー要素と現実的な人間ドramaのバランスが絶妙で、特に人間と異種族の関係性を描く視点が新鮮でした。17巻という長編ながら、最後まで質の高いストーリーが続くのもポイントです。