活力を台詞のトーンで表すとき、俺はアクセントの付け方を工夫する。感嘆符ばかりに頼らず、語尾を伸ばしたり、疑問形で弾ませたりして声の跳ね方を示す。そうすると同じ「嬉しい」でも種類が増えて、読者は人物の性格まで聴き分けられる。
行動描写では、大げさな身振りと小さなクセを組み合わせると説得力が増す。手を振る、舌を出す、笑いながら
肩をすくめる、といった具体動作は、明るさをただの記号にしない。さらに、他人への反応で主人公の陽気さを浮かび上がらせるのが有効だ。例えば仲間の失敗に真っ先に励ます、という行動は言葉より強力に性格を示す。
物語のテンポ配分も忘れない。楽しいシーンを過度に長くすると軽薄に見えることがあるから、緊張と緩和をリズムよく配置することを意識する。『ワンピース』のような冒険劇を思い出すと、主人公の快活さは仲間との触れ合いと対立場面で立体化していくことが分かる。