俺はアクリルや油も扱うけれど、どの画材でも共通する原則がある。まず“薄く、重ねる”を徹底することだ。アクリルならグレーズ用の媒体(グレージングメディウム)を使って顔料を薄く延ばし、乾燥ごとに層を重ねる。油なら薄い層から始めて、各層を“fat over lean(厚い層は下の薄い層より油分多め)”のルールで重ねるとひび割れを防げる。透明感を出したいなら不透明な顔料は控えめにして、最後の仕上げだけでアクセント的に使う。
水滴の透明感を表現するには、まず光の反射と屈折を理解するのが大切だ。実際に観察すると、水滴は単なる丸い水の塊ではなく、周囲の景色を歪めて映し出している。
デジタル作画ならレイヤーを分けて、ハイライト部分を柔らかいブラシで描くのがコツ。特に頂点付近は強めの光を入れ、下部には環境光の反射を薄く乗せる。アナログの場合は水彩のにじみを利用すると、自然な雰囲気が出せる。
忘れがちなのが水滴の影で、透明なものでも地面にしっかり影が落ちる。この影の濃淡が立体感を決定づける。『GHOST IN THE SHELL』の雨の表現を参考にすると、科学的な正確さと芸術的表現のバランスが学べる。