驚くかもしれないが、医師たちが重視しているのは角度の厳密さよりも“気道が確保され、頭部が前に倒れないこと”です。そこを踏まえた上で私が整理すると、生後間もない新生児や首がまだしっかりしていない子には背もたれをほぼ水平に近づけるのが理想で、床に対して水平0〜20度程度(=ほぼ平らに寝かせられる状態)を目安にしています。
次に首が座ってきたあとは、やや起こした姿勢で問題ありません。目安として床に対して30〜60度程度の傾きなら視界も広がり、吐き戻しのリスクや呼吸の妨げも減ります。ただしメーカーの指示や製品の構造によって安全な角度は変わるので、『日本小児科学会』などの一般的指針と合わせて確認するのが賢明です。
個人的には、寝かせっぱなしにしないことも強調したいです。
乳母車で眠ってしまったときは短時間なら問題ないことが多いものの、長時間の傾斜睡眠は避け、できれば平らなベッドで仮眠を取らせるようにしています。使う前に角度の基準を確認しておくと安心です。