このことわざの背景には仏教の影響が深く関わっていると思う。
『知らぬが仏』という表現は、知らないからこそ心が乱されず平穏でいられるという意味で、仏教の『無知の知』や『煩悩から解放される』という考え方と通じる部分がある。鎌倉時代あたりから庶民の間で使われ始めたらしく、当時の人々が現世の苦しみから逃れるために仏教的な諦観をことわざにしたのではないかと想像する。
面白いことに、西洋には『Ignorance is bliss(無知は至福)』という類似表現があるけど、日本の『知らぬが仏』には仏教的ニュアンスが加わって独特の深みが生まれている。現代でもSNSで余計な情報を知ってしまった時とか、この言葉の重みを実感することがあるよね。