俳句を英訳する時のような感覚で考えると良いんじゃないかな。十七音の制約の中で季語が果たす役割のように、この一文には「花」「散る」「美しい」という三大要素が必要。試しに 'Cherish the blossoms, for their fall defines their grace' と詩的にしてみた。
日本語の諺を英訳するワーキンググループに参加していた時、似たような表現で議論になったことがある。最終的に 'Perishable things possess peculiar beauty' という経済学者ケインズの言葉を援用したのを覚えている。
『もののけ姫』のエボシ御前が「美しいものは滅びる定めにある」と呟くシーンを思い出す。英語版では 'All beautiful things must fade' と訳されていたけど、運命論的な響きが強すぎる。むしろバンド・メイの『The Last Bloom』という曲のタイトルみたいに、終わりそのものが価値だというニュアンスを出せると理想的だ。
翻訳の面白さは、文化のニュアンスをどう伝えるかにあるよね。この日本語の表現を英語にするなら、'The flower is beautiful because it falls' なんて直訳すると味気ない。むしろ 'Transient beauty makes the bloom more precious' とか、儚さと美しさの関係性を前面に出したほうがしっくりくる。
英語で「話に花が咲く」を表現するなら、'The conversation blossoms'がぴったりだと思う。
植物が花を咲かせるように、会話が自然と広がり、色とりどりの話題が生まれるイメージをそのまま伝えられる。特に友達との雑談が深夜まで続くような場面で使うと、温かみのある表現になる。
似たニュアンスでは 'The discussion is in full bloom' とも言えるけど、少し詩的すぎるかも。日常会話なら 'We got carried away talking' の方がカジュアルで使いやすい。状況に応じて使い分けるのがおすすめ。
翻訳作業でいちばん悩むのは、文脈によって同じ語がまったく別の響きを持つ点だ。白の薔薇の花言葉を英語にするときも同じで、式典の案内文か小説の一節かによって語調を選び分ける必要がある。僕はまず「花言葉」をどう訳すかを決める。直訳の'flower language'は通じる場面もあるが、自然な英語にするなら'symbolism'や'meaning'が無難だと思っている。
具体的には、一般的な解説文なら"The white rose symbolizes purity and innocence"や"White roses signify purity, innocence, and new beginnings"がわかりやすい。追悼や弔辞向けなら"White roses often represent remembrance and reverence"と入れると、英語圏での受け取り方に寄せられる。
詩的・文学的なトーンが求められる場面では"the white rose stands for purity and the promise of a fresh start"のように意訳して感情を補強する。参考までに、作品の引用やキャプションでは一行でまとめることが多く、'The Great Gatsby'の翻訳注では説明的な一文にまとめる手法が有効だった。最終的には読む人と用途を想定して、'white rose'+'symbolizes/represents/signifies'の組合せを基本に選べば自然に響く。