愛を譲ったあとで、彼は後悔した結婚式の最中、夫の幼なじみが騒ぎを起こし、「二人を同じベッドに寝かせないで」と言い出した。
それから四年、夫は一度も私に触れなかった。
私がプライドを捨て、媚薬まで飲んで彼に近づいた夜も、彼は冷たい目で私をベッドから突き飛ばした。
「俺は潔癖なんだ。お前には触れられない。自分を抑えてくれ」
当時の私は、それが彼の性格だと思い込んでいた。
けれど、彼の三十歳の誕生日の夜――
書斎の扉の隙間から見た光景は、私の幻想をすべて壊した。
閉じた目、動く喉仏、そして、手に握られていたのは幼なじみの写真。
その瞬間、私は悟った。
彼が愛していたのは、最初から私じゃなかった。