暗転する世界観で言えば『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の都市描写は圧巻だ。人工光に照らされたビル群の陰で蠢く影が、近未来社会の闇を暗示する。タチコマたちが
夕陽を背に談笑するシーンは、機械と人間の境界線を問いかけるのに最適な演出だと思う。
『蟲師』の「柔らかい角」編も忘れられない。山間部に沈む太陽の下で、光と闇の狭間に存在する蟲たちの生態が描かれる。昼と夜の境目という不安定な時間帯が、この世界の不思議なバランスを象徴している。水墨画のようなタッチで表現される自然の移ろいが、視聴者を深い瞑想状態に誘う。