邪神をテーマにしたホラー映画の中でも特に評価が高い作品として、'The Void'(2016年)が挙げられます。医療施設を舞台に、クトゥルフ神話を思わせる不気味な生物や狂気に満ちたカルト集団が登場するこの作品は、実用的な特殊効果と圧倒的な不気味さでファンから高い支持を得ています。監督のスティーヴン・コスティアンは、80年代のボディホラーや実写特撮へのオマージュを散りばめつつ、独自のビジュアルスタイルを確立しています。
もう一つの隠れた名作は、'Dagon'(2001年)です。H.P.ラヴクラフトの小説を基にしたこの映画は、スペインの漁村を舞台に、人間が邪神の崇拝に巻き込まれていく様を描いています。水中から現れる触手や、人間の肉体が変異していく描写は、邪神の不気味な力を効果的に表現しています。低予算ながらも、ムード作りと実用的な特殊メイクが評価され、カルト的人気を誇っています。
近年では、'Color Out of Space'(2019年)がニコラス・ケイジの狂気的な演技とカラフルながらも不気味なビジュアルで注目を集めました。異星からの不可解な存在が家族を徐々に蝕んでいく様子は、邪神ものならではの精神的ホラーとしての側面を強く打ち出しています。リチャード・スタンリー監督の復帰作としても話題になり、ラヴクラフト作品の現代的な解釈として高く評価されています。