神話学的に見ると、夢魔は夜の訪れと共に現れるスラヴ伝承のマーや、ギリシャのフォボスといった恐怖を司る神々の末裔と言えます。彼らはあくまで『現象』に近く、特定の信仰対象ではないのが特徴。これに対し悪魔はキリスト教の
堕天使ルシファーや、仏教の魔羅のように教義と結びついた存在です。
面白いのは現代創作での解釈で、『Fate』シリーズでは夢魔が人類存続を願う矛盾した存在として、悪魔は純粋な悪意として描かれることが多い。この二項対立は、人間の心理における無意識の恐怖(夢魔)と、明確な敵対概念(悪魔)の違いを如実に表している気がします。