『ベルセルク』は、敵愾心をテーマにした作品の中でも特に強烈な印象を残します。主人公ガッツの復讐劇は単なる暴力の連鎖ではなく、人間の深淵に迫る物語として描かれています。
三浦建太郎の画力も相まって、憎悪と絶望が画面から溢れ出るような表現は、読者を圧倒します。特に『黄金時代』編から『千年
帝国の鷹』編への転換は、敵愾心がどういう形で人生を支配していくかを考えさせられる名シーンです。
この作品の凄みは、敵役グリフィスが単なる悪役ではなく、複雑な人間性を持っている点。憎むべき存在でありながら、どこか共感してしまう部分があるのがリアリティを感じます。