緊張感を煽る音楽の真髄は『予感』にある気がします。『スター・ウォーズ』の
帝国のテーマみたいに、悪役が登場する前に不吉なメロディが流れると、自然と身構えますよね。あれは観客に『何かが起きる』と予期させるからこそ効果的です。
『羊たちの沈黙』のクラリネットのシーンも秀逸です。あの不協和音は、登場人物の心理的な歪みを音に変換したようで、聞いているだけで背筋が寒くなります。特に音が突然途切れた時の静寂が、かえって不気味さを増すんです。
日本のアニメでも『進撃の巨人』の戦闘シーンのコーラスは鳥肌ものです。あの重厚な合唱は人類の絶望と憤怒を同時に表現していて、視覚以上の感情を呼び起こします。音楽が単なるBGMではなく、物語の一部になっている好例ですね。