死刑囚の最後の言葉を扱ったドキュメンタリー作品で特筆すべきは『Into the Abyss』でしょう。ヴェルナー・ヘルツォーク監督が死刑制度の是非を問うために制作したこの作品は、執行前の囚人たちの生の声を記録しています。
特に印象深いのは、執行直前のマイケル・ペリーが語る「誰かを傷つけたことは後悔している」という言葉。彼の表情からは恐怖よりも諦観が読み取れ、観る者に死刑の重みを考えさせます。死刑廃止運動の資料としても参照される一方で、被害者家族のインタビューも交えることで複眼的な視点を提供している点が秀逸です。