江戸時代の平均寿命データはどのように調査されているのですか?

2025-11-23 10:00:09 96

3 回答

Otto
Otto
2025-11-25 00:56:18
江戸時代の寿命データを調べるのは、実はかなり複雑な作業なんです。当時の記録として残っているのは、主に寺請制度による宗門人別帳や、武士階級の家系図、一部の村の記録など。特に有名なのが『寛政重修諸家譜』のような武家の系譜資料で、これには生没年が詳細に記されています。

面白いのは、庶民のデータは地域によって大きな差があること。例えば東北地方の寒村と京都の町人では生活環境が全く異なります。学者たちはこうした地域別のデータを比較しながら、当時の栄養状態や疫病の影響を分析しています。乳幼児死亡率が高かったため、平均寿命は現代よりずっと低く出ますが、成人した人々の寿命は意外と長かったという説も。
Aiden
Aiden
2025-11-26 18:59:11
寺の過去帳が江戸時代の寿命研究で重要な役割を果たしています。檀家制度があったため、多くの人が出生から死亡まで同じ寺院に記録されていたんです。例えば群馬県のある寺の記録では、1750年頃の平均寿命が32歳だったというデータがありますが、これは乳幼児の死亡を多く含んだ数字。実際に成人した人の平均余命はもう少し長かったようです。

気候変動との関係も興味深く、冷夏が続いた天明の大飢饉の時期には明らかに平均寿命が低下しています。こうしたデータから、当時の人々がどのように自然と向き合い、生き延びてきたかが見えてくるんです。
Oscar
Oscar
2025-11-28 15:54:05
歴史人口学の手法って知ってますか?これが江戸時代の寿命研究の鍵なんですよ。特に『宗門改帳』というキリシタン取り締まりのための戸籍資料が宝庫で、出生・死亡・婚姻が克明に記録されています。滋賀県の雄琴村とか、長野県の仁科町なんかのデータが有名ですね。

研究者はこれらの古文書から家族構成の変化を追い、年齢別死亡率を推定します。面白い発見としては、飢饉の年には当然寿命が短くなるけど、普段は60歳以上まで生きる人も少なくなかったこと。ただし、乳児死亡率が30%近くあったから、全体の平均は40歳前後という数字になるんです。数字の裏にある生活実態を想像すると、当時の人々のたくましさが伝わってきます。
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