涙を飲み込む瞬間は、誰もが経験する小さな死のようなものだと思う。特に『鋼の錬金術師』の
エドワードが『等価交換』について語るシーンを思い出す。彼は犠牲なしに何も得られないと言ったが、泣き寝入りはその逆で、犠牲を払っても何も得られない行為に近い。
ただ、すべての涙が無駄とは限らない。『CLANNAD』の岡崎朋也のように、苦しみを経て初めて他者の痛みに気付けることもある。問題は、その経験を成長の糧にできるかどうか。涙を流した後、立ち上がる力の有無が人生の分かれ道になる。
大切なのは、泣くこと自体を否定しないバランス感覚。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の主人公が手紙を書くことで悲しみと向き合うように、表現方法を見つけられれば、その涙は新たな一歩になる。