海野十三の短編小説で最も怖い話は?

2026-07-07 21:01:09
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読書通 理容師
海野十三の短編小説で特に不気味さが際立つのは『蠅の王』ではないだろうか。この作品は人間の内面に潜む狂気を、遺伝子操作という当時としては斬新なテーマと結びつけて描く。実験室で生み出された巨大な蠅が、皮肉にも研究者の傲慢を暴き出す展開は、今読んでも背筋が凍るような恐怖を覚える。

一方で『十八時の音楽浴』も忘れがたい。日常に溶け込む不気味さがじわじわと迫り、ラジオから流れる謎の音波が人々を狂わせる様は、現代の情報過多社会を予見しているようでゾッとする。特に終盤の"音楽に支配された街"の描写は、サウンドホラーとしての完成度が高い。

彼の作品の怖さは、科学的な説明とシュルレアリスム的なイメージが融合するところにある。『冷蔵庫』のような一見平凡な家電を恐怖の対象に変える発想力は、後年のホラー作家にも多大な影響を与えた。読後はしばらく身の回りの機械を見る目が変わるような、そんな体験をさせてくれる作品群だ。
2026-07-12 00:45:33
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