書類としての重みで見分けると案外わかりやすい。開いた瞬間に目に入る形式や言葉遣いで、頭の中におおよその区別図が浮かんでくる。
まず
遺言には法律的な効力を持たせる意図がはっきり出ていることが多い。具体的な財産の分配、相続人の特定、遺言執行者の指定、日付と署名、場合によっては証人や公証人の押印が入っている。封筒や公証役場の痕跡があるときはさらに本物の可能性が高いと感じる。
一方でエンディングノートは感情や思い出、希望やメッセージを中心に書かれていることが多く、法的な文言や明確な財産配分が欠ける場合が多い。私は相続人として見つけたとき、まず形式(署名、日付、証人の有無)と文言(「遺産をAに」などの明確さ)を照らし合わせ、必要なら家庭裁判所や専門家に相談する手順を踏むようにしている。
推理小説のように謎めいた表現が多い書き物は、感情を伝えるノートである可能性が高いと感じることが多い。