裏切りの余韻が尾を引く恋愛ものって、どうしてこんなに刺さるんだろうとよく考える。単純に“心が痛む”だけじゃなくて、力関係のねじれや誤解、そして和解の瞬間にドラマが濃縮されるからだと思う。ここで挙げる作品は、特に「婚姻関係や契約の綻びから始まるすれ違い」と「頑なな貴族(とくに
公爵)の態度」が物語の核になっているものを中心に選んでみた。
まずは漫画・小説で人気の『The Reason Why Raeliana Ended up at the Duke's Mansion』。序盤の“契約同居”から徐々に真意が見えてくる構成が秀逸で、離婚や別れという言葉が効力を持つ場面での心理描写がしっかりしている。裏切られたと感じているヒロインの立ち位置が変化する過程を丁寧に追えるので、あなたの求める「離婚してくれない公爵」というシチュに近い読後感が得られるはず。
続いて『Abandoned Empress』は、追放や裏切りのあとに自分の生き方を取り戻すタイプの復讐譚で、貴族社会の冷たい目や取り巻きの思惑が物語を引っ張る。離婚がテーマそのものではないが、「見捨てられた女が再起して関係をひっくり返す」筋立ては強く響くはずだ。また、時間を遡ることで運命を改変していく『The Villainess Turns the Hourglass』は、もともと不利な婚姻関係を逆手に取る戦略や、冷たい夫役(公爵っぽい人物)との駆け引きが楽しい。これら三作は、それぞれ異なる手法で“裏切り→関係の再定義”を描いているので、読み比べると「離婚してくれない」状況がどう解決され得るかのバリエーションが見えて面白い。
個人的には、まず一作目の静かな駆け引きから読んで、次に復讐譚で感情の豪速球を受け取り、最後にタイムリセット系で爽快に締めるという順が好みだ。どれも公爵や
侯爵の無口さ・頑なさが魅力になるタイプなので、あなたの求めるモヤモヤとした甘さにうまく応えてくれると思う。ぜひじっくり楽しんでみてほしい。