このプロポーズ、姉と寝た彼からだったお姉ちゃんと私の彼氏は、ずっと相性が最悪だった。
チャラくて女癖の悪い「京市の御曹司」が、私のために心を入れ替えるなんて、ありえないって信じてなかった。
婚約が決まったあとでさえ、お姉ちゃんは二人の交際に猛反対してた。
だから私は、どうしても納得してもらいたくて――
夜中にこっそりサブ垢を作って、彼氏を試すことにした。
玲司の返事はずっと冷たくて、どこまでも突き放すような態度だった。
……それが、むしろ安心材料になって、私はほっとしてたのに。
そのとき、玲司から音声メッセージが届いた。
「だから言っただろ?お前たち姉妹以外、女遊びなんかしないって。
桜、そんなに欲求不満ならさ、俺が結婚したら、誰が満たしてやるんだ?」
桜って――お姉ちゃんの名前だった。