議題作りに際して優先したいのはまず感情の安全性だと考えている。読書会で『諦観』を扱うときは、参加者が重い感情を抱くことがあるから、感想共有の場で否定や議論の押し付けを避けるルールを最初に提示することを勧める。
続いて具体的な問いを三つ程度用意する。第一に物語が諦観を肯定しているのか、それとも批判的に描いているのか。第二に主人公の行動が諦観から生じたのか、状況や社会構造からくる無力感なのか。第三に読者がその諦観を受け入れることで何を得るのか失うのか。これらを軸にして、『
四畳半神話大系』の主人公の選択と結果を例に比較すると議論が深まる。
最後に、結論に向けて各自が持ち帰る問いを一つずつ書いてもらうと、会の終わりに個人の内省が促されるのでおすすめだ。