驚くかもしれないが、レビューが作品評価に与える影響は思ったより多層的だと感じている。まず目に見える形としては評価スコアや星評価の変動がある。私がある作品を探しているとき、平均評価が高ければ先入観としてポジティブな期待が生まれ、低ければハードルが下がる。レビュー本文を読むと、具体的な欠点や長所が頭に残って自分の評価軸が微調整されるのが分かる。特に『ゲーム・オブ・スローンズ』のように評価が分かれた作品では、どの側面(登場人物、展開、演出)に重きを置くかで自分の最終的な点数が変わった経験が何度もある。
次に社会的証明の効果が強い。支持や反発が大きいレビューが目立つと、それに引きずられて感情が増幅される。好意的レビューが多ければ自分も肯定的に見たくなるし、批判が集まっていると欠点を探しがちになる。レビューの信頼性――長さ、具体性、ネタバレ有無、レビューアーの履歴――も私の受け取り方を左右する。短く感情的な一言より、
理路整然とした長文の方が評価影響力は高い。
最後に行動で示す影響もある。レビューを読んで購入をやめたり、逆に手に取ったり、視聴リストに入れたりすることで評価が実際の行動に転化する。自分もレビューを書いてから評価を見直すことがあり、レビューは一方通行ではなく評価の循環を生むと感じている。