思わず拳を握るような感情的な反応から、静かに胸に残る余韻まで、読者の反応は本当に幅がある。古代の怪物としての重厚さを引き出すファンフィクションを書くと、まず「存在の畏怖」に惹かれる読者が目立つ。特に『
旧約聖書』に由来するような描写を踏まえつつ、心情や動機を肉付けすると、神話的な規模感と人間的な弱さの対比に強く反応する人が多い。私はそうした作品を読むと、世界観の整合性や言葉の選び方に敏感になる読者層がコメントで細かく突っ込むのをよく見る。
別のタイプとして、
レヴィアタンを象徴化して恋愛や喪失、抑圧のメタファーに落とし込むと、共感や解釈の広がりが出る。ファンはキャラクター性を付与されると一気に親近感を抱き、その結果として二次創作群が増える。絵師が涙を流すシーンを描いたり、詩的な短編が連鎖したりするのも典型的だ。逆に、行き過ぎた擬人化や動機の薄さには反発が強く、激しいタグ批評や改善要望が飛んでくることもある。
結局、読者の反応は作者がどの部分に重心を置くかで大きく分かれる。私は作品を追う側として、重層的で矛盾も含めて描く作品に惹かれるし、そういう作品は長く語られ続ける印象がある。