子どもの頃からアニメの細かい仕草に目が行くタイプで、
貧乏揺すりが出てくるたびに「あ、これは狙ってるな」と嬉しくなることが多い。
僕が惹かれる理由の一つは、静止した絵の連続で動きを見せるアニメにおいて、貧乏揺すりがキャラクターに即効で生命を吹き込む手段になっているからだ。手足の小さな反復運動は感情の裏返しや緊張の微妙な揺れを視覚化してくれる。たとえば『けいおん!』のように日常描写が中心の作品では、楽屋裏や雑談シーンにこうした癖が混ざると、そのキャラの居場所感や距離感がぐっと現実味を帯びる。
もう一つはリズムと言語の代替になる点。言葉で説明しなくても、貧乏揺すりが「落ち着かない」「集中している」「居心地がいい」などの状態を即座に伝える。声優さんの演技とカット割り、細かなリピート動作が合わさると、視聴者はキャラを身近に感じやすくなる。個人的には、そういう小さな動きにキャラの歴史や習慣が滲み出しているのが好きで、気づくたびに何度もそのシーンを巻き戻してしまう。