猫のゴロゴロ音は癒しのサインだと思いがちですが、実は健康状態のバロメーターにもなります。通常はリラックスや満足感を示すものですが、時として痛みやストレスを緩和するための自己治癒行為という説も。2001年の『Animal Behaviour』誌の研究では、20~140Hzの周波数が骨密度改善に役立つ可能性が指摘され、飼い主の膝の上で鳴らすあの音は、実は「天然の治療行為」かもしれないんです。
ただし、ゴロゴロが要注意サインに変わるケースもあります。普段と異なる持続時間や音量、呼吸困難を伴う場合、あるいは食欲不振や動作の鈍化と併発している時は、呼吸器疾患や心臓病の可能性を疑うべき。特にシニア猫が急にゴロゴロ頻度を増したら、関節炎の痛みを和らげようとしているのかも。『Journal of Feline Medicine and Surgery』が報告したように、12歳以上の猫の約90%が変形性関節症を患っているという事実は見過ごせません。
こんな時は観察が鍵になります。毛づやが悪い、瞳孔が拡張している、耳が後ろ向きになっているといった微細なボディランゲージとゴロゴロを総合判断すると、単なる甘えとSOSの見分けがつきやすくなります。動物行動学者のデズモンド・モリスが『キャットウォッチング』で述べたように、猫は本能的に弱みを見せない生き物。だからこそ、愛猫の「幸せゴロゴロ」と「苦痛ゴロゴロ」の違いを、飼い主が嗅ぎ分ける感性が求められるのです。