Partager

(改訂版)夜勤族の妄想物語
(改訂版)夜勤族の妄想物語
Auteur: 佐行 院

1. 「私の秘密」

Auteur: 佐行 院
last update Date de publication: 2025-01-21 11:28:41

 独身、童貞、実家暮らし、そして包茎。男としてのダメ要素が4つも揃ってしまっている俺。

 元いじめられっ子の会社員として昼夜逆転生活をしているが故に生まれてしまった「退屈」という感情をなんとかしようと始めたのが「妄想」だ。

 これなら誰にも邪魔されず、文句も言われることも無い。そして、迷惑を掛ける事も無い。正直言って何よりも自由な世界だと思った。

 そんな俺の妄想は、湖とくねくねとした峠道のある山の近くの風光明媚な街を舞台に始まる。

 さて、そろそろ俺が自由に思い浮かべた妄想の世界に皆さんを誘おう。

夜勤族の妄想物語 1.「私の秘密-赤鬼-」

佐行 院

 仕事に追われ1日1日が過ぎてゆき、一般では「花金」と呼ばれる週末。明日からの土日という楽しい2日間をどう過ごそうか、それとも今夜どう楽しもうかを沢山の人たちが考えているこの時間帯、開いている店と言えば飲み屋やコンビニ、そして最近増えてきた24時間営業のスーパーぐらい。他には夜勤で働く人たちがいる工場などがちらほらとあり建物から明かりが漏れている場所がほとんどなく電灯の明かりが優しく照らされる夜の街で独身の冴えない眼鏡女子の会社員、赤江 渚(あかえ なぎさ)は家路を急いでいた。

毎日朝の9時から出社しての8時間勤務、1時間休憩を含め18時が定時での退勤なのだがそういう訳にも行かない、金曜日は特になのだが帰り際に上司の取口(とりぐち)部長から必ずと言って良いほど呼び止められて書類を押し付けられ毎日の様に残業が加算されすぎており毎月60時間以上の計算となりため息の日々。正直三六協定はどこへやら・・・。

ある週の金曜日、毎度の様に帰り際の渚を取口が呼び止めた。

取口「渚ちゃーん、今週も頼むよ、うちのチーム書類が立て込んでいるから進めておかないとね。」

渚「はーい・・・。」

 正直言ってしまうと原因は取口による書類の記入ミスや漏れによるものなのだが、本人は早々と定時に上がり気の合う仲間と逃げる様に近くの繁華街へ呑みに行ってしまう。今週に至っては残業はタイムカードを切ってから行うようにとも言いだした。何て卑怯な奴なんだと、やはりブラック企業の従業員の扱いは酷いなと身をもって学んだ今日この頃。

 そんな中、最近巷で噂になっている事があった。特に地元の暴走族や走り屋を中心になのだが『赤いエボⅢに見つかると警察に捕まる』との事だ。通称『赤鬼』。毎週金曜日の夜に県内の暴走族や走り屋のスポットとなっている山に4WD車1台で行っては暴走行為、走り屋行為をしている奴らを一掃しているらしい。正体は未だ不明で年齢や性別など諸々全てが分かっていない。一部の人間には『赤鬼は警察の人間だ』とも言われている。

 会社でもその噂で持ちきりだった。丁度よく今日は金曜日。

取口「皆聞いたか、先週の金曜日にまた『赤鬼』が出たらしいぞ。今夜も出るかもな。」

女性「怖い、今夜は私も早く家に帰ろう。」

渚「何言ってんの、今日も残業でしょ・・・。」

女性「噂なんだけどさ、『赤鬼』って本当はとっても綺麗な女子なんだって。あんたとはかけ離れているね。」

渚「何馬鹿なこと言ってんの、早く仕事終わらせようよ、帰ってドラマ見たいもん。」

その頃警察署長の宇治(うじ)に連絡が入った。M山に暴走族と走り屋の集団が今夜集まろうとしているらしい。走り屋の集団には住民に迷惑を掛ける人間達のチームと掛けない人間達のチームに分かれていて今夜集まるのは迷惑を掛けない方のチームらしい。このチームのリーダーはかなり真面目で休日はボランティア活動に勤しみ警察にも協力的だ。

しかし問題は暴走族の方だ、近所での暴走行為、騒音によるトラブル、暴力沙汰と迷惑のオンパレードだ。対策を練る必要があると思い宇治は走り屋チームのリーダーである阿久津(あくつ)に連絡を入れ救済を求めた。

阿久津「そうですか、僕たちに出来る事なら何でも仰ってください。」

宇治「助かりますよ、あなたがいてくれてよかった。さてと・・・。」

阿久津「どうしたんですか?」

宇治「いや、何でもないです。では、ご協力をお願いします。」

押し付けられた書類を21時頃に済ませ渚は自宅に着いてすぐに衣服を着替えメイクを直し愛車に乗り込み隣町の山へと向かう。自分には似合わないなと思いながら学生の頃から憧れていたこの車に今自分が乗っていると思うとぞくぞくする。エンジンを付けようとした時に電話が鳴った。

渚「・・・分かりました。お任せください。」

 愛車は赤いエボⅢ、そう、実は渚が通称『赤鬼』なのだ。先程の電話は宇治からの物で協力を求めてきた。阿久津のチームと協力して暴走族を止めておいて欲しい、山の反対側の出口でパトカーを集めて防衛線を張っておくからとの事だった。

 山頂で阿久津のチームを見つけ車を止めると阿久津が近づいて来た。出来るだけ顔を見られたくないので窓を少しだけ開けて目だけを出した。度入りのカラコンを使用しているのでよくある事なのだが・・・。

阿久津「初めまして、地元で走り屋のチームをしてます阿久津と言います・・・、外人さん?!英語喋れるかな・・・。Nice to mee…」

渚「日本語で大丈夫、初めまして、『ナギ』と呼んでください。」

 『ナギ』って・・・、自分でもセンスのないネーミングだと思いながらため息をついた。普段とは違いクールなキャラを保っていた。

阿久津「今夜の作戦は聞いてますか?」

渚「山の向こう側の出入口にパトカーで防衛線を張ってるから私たちで暴走族を追い込む・・・、ですよね?」

阿久津「その通り、そして後ろからも数台警察の人たちが俺たちに紛れて追いかけて来るから挟み撃ちにしていく作戦だ。宇治署長に言って一応障害物として廃車になっている車を数台置かせて貰っているからうまく避けて欲しい。」

渚「私たち避けれるかしら。」

阿久津「ナギさんはそこまで下手じゃないでしょ。」

渚「それはお互い様でしょ。」

阿久津「ははは、この無線機を付けておいて欲しい、話せると助かる。それと暴走族が来るまでは目立たないように車にこの黒いカバーをしておいて。」

 渚は言われた通りにカバーをして車の陰で息をひそめていた。しばらくしてけたたましい排気音(エキゾースト)を轟かせ暴走族のバイク集団が現れた。車線なんてお構いなしだと言わんばかりに横一線に広がっている。彼らは阿久津や渚の車に気付くことなく向こう側の出入口に向かって山道を降りていった。

 走り屋たちはカバーを取り静かに車を走らせた、排気音を少しでも出すと作戦がバレてしまう。

 数か所のコーナーというコーナーをドリフトでクリアしていく。ガードレールに取り付けられたライトで道路が明るく照らされていたため本当はいけないのだがヘッドライトを切ってでも走れる状態だったので暴走族のバイクには簡単に近づけた。

暴走族「んだぁ、こいつらぁ!!」

暴走族「ざけんじゃねぇ、撒くぞごるぁ!!」

 暴走族がスピードを上げる。山の中腹に差し掛かる。無線機から阿久津の声がした。

阿久津「ナギ、そろそろ障害物の廃車が見えてくるから上手く避けてくれ。」

渚「了解・・・。」

 そこから数キロ走ったところにある廃車に数台のバイクが引っかかっていた。後ろから追いかけてきた警官が暴走族を逮捕していき、バイクをトラックの荷台に乗せていく。

 そして最終コーナーを回り阿久津と渚の前にはバイクが2台・・・、多分総長クラスだろう。出入口に差し掛かりパトカーや交通機動隊の白バイで張られた防衛線で2台を止めようとしたので暴走族は引き返して逃げようとした。そこを阿久津と渚が息をピッタリと合わせ車を横に向け通せんぼうをする、諦めてバイクを乗り捨てた暴走族は横から逃げようとしたが駐車場付近の茂みに落ちて警察の用意した深めのマットに落ち込んで逮捕された。

暴走族「こん畜生!!!」

暴走族「覚えてろ!!!」

 パトカーに押し込まれる暴走族を横目に宇治が渚と阿久津に近づいてお礼を言おうとしたが車は2台とも消えていた。電話を掛けたが2人共繋がらなかった上に走り屋たちの無線機にも反応がない。

宇治「まぁ、いいか。」

新人警官「よろしいのですか?」

宇治「ああ、君もいずれは分かるだろうさ。撤収だ、帰って呑むぞ!!!」

月曜の朝まで2人を見た者はいなかったという・・・。

月夜が照らす海を背景にただスキール音が響き渡っていた・・・。

Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application

Dernier chapitre

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」320

    -320 副店長の本心 デルアの姿にティアマットの母娘が目を輝かせていた顔合わせの直後、一先ずシフトの相談をする事になった。やはり優先されるのはこれからヌラルが学生として頑張ろうとしている事、それが故に母のバハラが副店長として十分に実力を発揮できる様に考慮する事だった。各々の生活をしっかりと守る事、そして大切にする事が(新)店長・デルアとオーナー・好美の義務だったからだ。デルア「安心して勉強に励んでくれれば良いからね、今はたった1度の人生を満足して全う出来る様に経験を十分に積むべき時期だからね。俺に出来る事があるなら何でも協力させてよ、それに・・・。」 すこし「哀愁」という言葉を感じさせる表情を浮かべる副店長。好美「「それに・・・」、どうしたってのよ。」 デルアの表情にただならぬ意味があると感じた好美、ただ何を意味しているのかは全くもって分からなかった。デルア「後悔して欲しく無いんだよ、俺みたいに・・・。」 バルファイ王国で黒竜将軍として活躍していたデルアの心中に「後悔」という言葉があるとは思えない好美、ナルリスと生き別れてから今の今まで何があったというのだろうか。好美「デルアから聞くとは思わなかった言葉だね、正直言って意外かも。」デルア「そうだよね、あまり良い記憶では無かったから話さない様にしていたんだ。一応確認するけど、俺と兄(ナルリス)が幼少の頃に一度生き別れている事は知っているよね?」好美「それは・・・、確かに光さんからちょっとだけ聞かされていたけど。」 確かに好美はデルアの成り立ちなどを詳しく聞いたことは無かった様な気がする、正直そんな機会など今まであっただろうか。デルア「これはまだ俺や兄貴が吸血鬼(ヴァンパイア)だった頃の話だ、皆も知っていると思うけど俺達の母親が人間により殺された際に俺は兄貴と生き別れた。まさか兄貴の中で俺が死んでいるものになっていたとは思わなかったけど俺は間違いなく独りぼっちだった、それから暫く経って本当は貝塚学園大学(こんな名前だった気がする)の料理科(あったの?)に通いたかったけど正直金が全く無かったから王国軍に入るまで色々と必死だったんだよ。実は板長と出逢って料理の修業をした後に1度大学に通って勉強をするかどうかを王様直々に聞かれたけどいち早く金を稼ぎたい一心だったから断ってね、今思えばあの時「Yes」

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」319

    -319 黒龍族と黒竜将軍- 正直言って必要かどうか分からなかったが美麗含む「貝塚運送」の従業員数名による迅速な作業により新居への引っ越しを終えた混沌龍(ティアマット)達や好美は急ぎデルアが待っている(かどうか分からない)「暴徒の鱗 ビル下店」へと向かった、引っ越し作業を行う前にオーナーが言った通りと言わんばかりに新店長予定者は暇そうに茶を飲んでいた(時間が時間なのでそうなってもおかしくはないよな)。デルア「いらっしゃい、ずっと待ってたんだよ。」 引越しの作業中ずっとなのかと考えるとかなりの間仕事をサボっていた事が見受けられる、それとも長めの休憩時間を設けていたのだろうか。好美「ごめんね、思った以上に引越しの作業が長引いちゃって遅くなっちゃった。ただデルア、今の所店は大丈夫そうだけどいざお客さんが来た時どうするの?」デルア「問題無いよ、お客さんが来たらホールにいるバイトにベルを鳴らしてくれって伝えてあるから。」 副店長に店を突如任された可哀想なアルバイト店員、何となくだが誰か労ってあげてよと思ってしまった。因みに察しが付くと思うが荷物は少なかったし好美は何もしていない。好美「そんなになるまでランチタイムが大変だったの?まだイャンダが異動した訳でも無いのに?」 イャンダが異動する予定の店舗(旅館)はまだ改装作業が終わっていないので異動のしようがない、それが故に今でもビル下店の店長として働いているはずなので今日は出勤していると思われるのだがどうしたのだろうか。デルア「別にサボっている訳じゃ無いよ、今までなかなか有休を取得する事が出来なかったから今日は半休にしているんだよ。」好美「半休?!」 この店(いや会社)に半休の制度があった事すら知らなかった好美は目を丸くしていた、と言うか店舗のオーナーの癖に知らない事が多すぎやしないか?デルア「悪かったよ、ただこのままでは会社が国に怒られちゃうから2人で話し合って決めた事なんだ。好美ちゃんにちゃんと言えてなかった俺達の責任だ、許してくれ。」 バルファイ王国の元竜将軍(ドラグーン)に頭を下げさせるとは、やはりこの店での好美の存在はかなりの大きさだと言える。好美「別に良いよ、ちゃんと会社の事を考えて決めた事なんでしょ?タイミングが悪かっただけじゃない、頭を上げてよ。」 あれ?珍しく優しいな、まぁそう言う

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」318

    -318 結愛の「働き方改革」- 『念話』で連絡を受けた好美と共に『瞬間移動』をして来たヌラルから家の鍵を渡された美麗は玄関を開けてポカンとしていた、どう見ても今まで母娘2人で生活をしていたとは思えない位に家財道具が少なかったのだ。その光景からは学校へと行けない程「生きる」だけで精一杯になっていた事が見受けられた、ただ従業員が続々とトラックを駐車している様子を見て美麗は焦っていた。美麗「正直言って・・・、これだったら1台で十分な気がするんだよね。どうしよう・・・、連れて来すぎちゃった。」 しかしこれに関しては美麗の責任ではない、米の集荷の予定を完全に無くしてしまった好美の責任である。しかし好美からすればただただ店で使う米を買い占めただけなので罪悪感など持つ訳が無かった、と言っても先程までデルアが時間をかけて洗っていた位なのでよっぽどの量だった事が推測される。好美「美麗・・・、この人たち全員が元々米の集荷に行く予定だったの?」美麗「そうだよ、卸問屋の人が結構な量があるって言うから予め人員を増やして対応していたんだけど突然集荷の必要がなくなったからこっちに回って来て貰ったの。早く済んだ方が好美も助かるかなと思ってさ、でもこれだったら1台でもすぐに終われるね。」 美麗の言った通りだ、好美は今夜王城での夜勤を控えているのでそろそろいつもの昼呑みをしてぐっすりと眠ってしまいたい様だ(何となくいつでも休んでいるイメージがあるがちゃんと仕事していたんだな)。好美「助かるよ、駐車場を構えていても大量のトラックがぞろぞろと走っていたらネフェテルサの人達がびっくりしちゃうからね。」 元々農家が多いネフェテルサの住民からすれば、軽トラがぞろぞろ走っている光景は見慣れた物だったが中型トラックや大型トラックは物珍しさに野次馬として見に来る位だと思われる。もしそうなってしまえば大騒ぎが故に引越しどころではなくなってしまう。美麗「それじゃ、今日はもう集荷の予定もないみたいだから他の人達には帰って貰うね。(念話)結愛、別に良いでしょ?」 どうやら結愛が密かに2人の様子を『探知』していた事を『察知』していた美麗、この世界に来てまだ間もないはずなのにもう既に能力を使い慣れている様だ。結愛(念話)「美麗が良いなら俺は別に良いぜ、主任は美麗なんだから現場での判断に任せるよ。」美麗

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」317

    -317 蔑ろにしないで- つい先程発覚した事なのだが好美とヌラルの会話を『探知』を利用して盗み聞きしていた人物が1名、流石に自分抜きでこれからの「暴徒の鱗 ビル下店」における人事を決めて欲しくはないという気持ちから『念話』を飛ばさない訳には行かなかった様だ。デルア(念話)「好美ちゃん、いくら何でもシフトの相談もしなくちゃいけないから俺抜きで話を進めないでくれないかな。」 デルアは店長でありバルファイ王国軍時代からの相棒であるイャンダが新店へと異動した後は自分が店長となるので一応相談して欲しいという思いがあった様だ、ただでさえイャンダの様に上手く店を回せるか不安だというのに自分の知らない所で勝手に人を雇わないで欲しかったらしい。好美(念話)「大丈夫だって、こういうのはフィーリングってやつよ。2人を雇う時もこんな感じだったから心配しなくても良いから。」 流石は一流の起業家は違うねと周囲の誰もが言いたくなるかも知れないが、この世界に来たばかりで経営に関しては全くもって初心者だった頃の好美は何処へ。ヌラル「な・・・、なぁ・・・。これは誰の声だよ、全くもって聴き覚えが無いんだけど。」 1階の店舗部分に全くもって行った事が無いヌラル、突然の『念話』に動揺してしまうのも無理は無い。好美(念話)「デルアったら・・・、いつから聞いてたのよ。でもお陰で手間が省けたから良いとするか、一先ずそっちに行って良い?どうせ暇でしょ?」 時計をチェックして丁度お昼のランチタイムが終わったであろう時間帯だという事を確認した上でだと思われるが、店のオーナーとして今の発言はどうなんだろうか。デルア(念話)「俺久々に出てきたってのに「どうせ」って何だよ、「どうせ」って・・・。でも好美ちゃんが言った通りだから別に来ても良いよ、新しい従業員達と顔合わせしたかったしいつもの様に突然目の前に現れた大量の米をやっと洗い終えたから今からお茶でも飲んで一息つこうかと思っていたんだ。」好美(念話)「げっ・・・!!と、取り敢えずそっち行くね。」 身に覚えがある様子の好美は早速母娘を連れて『瞬間移動』しようとしたが何か忘れてはいないか?気の所為だったらいいけど。美麗(念話)「好美!!頼まれた家にトラック数台で来たのは良いけど鍵が開いてないと引越し出来ないよ、誰かこっちによこして欲しいんだけどそれ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」316

    -316 新居と寛大な国- 女性達が昼間から酒を煽りながら露天風呂を満喫してから数日経った事だった、相も変わらずの独断(いや自己中?)ぶりを発揮した大家によりブラッディ母娘はマンションの空き部屋を借りて住み始めた。因みに貝塚学園の寮として使っている下層階の部分に空き部屋が無かったという事もあるので他の住民には内緒で家賃は少し安くなっている様だ、こう言って良いのか分からないが無理矢理この場所に住めと言ったのが好美自身なのでちょっとしたサービス精神をもって良いかと思うのも納得はいく。好美「何よ、それじゃ私が独裁者みたいじゃない。人聞きの悪い事を言わないでよ。」 す、すんません・・・。今度またビールでも奢らせて頂くので許して下さい。好美「約束だからね、確か前に約束してもらったビールもまだだったはずだから一緒に奢ってよね。」 あ、あれ?そんな事ありましたっけ・・・、忘れないうちにお送りさせて頂きます。 さてと・・・、「鬼の好美」が出ない内に話を進めますかね。 初めて村以外の場所で住む事になった母娘は好美自らの案内で連れられた新居に驚きを隠せなかった、マンションの中では結構スタンダードな部屋だと思われるのだが。ヌラル「すげぇな・・・、好美・・・、俺達本当にここに住んで良いのかよ。」バハラ「何か申し訳ないよ、家賃だって安くしてもらっているのにこんなに良い部屋を用意してもらっちゃって・・・。何か罰が当たりそうで怖いよ。」 母娘は今にも泣きだしそうな表情で語っていたがずっと受けていた迫害の事を考えるとこれから良くなって行くばかりの人生(いややはりそこは「龍生」?)の前兆だと言えるのではないかと思われる、寧ろ好美からすれば少し遠慮した位だった様だ。好美「何を仰っているんですか、私がお呼びしたのにこんな部屋で申し訳ない位ですよ。」バハラ「私達にそんな事を言ってくれるのかい、こんなに嬉しくなったのは久方ぶりだよ。」 2人の年齢の事を考慮に入れるとバハラの「久方ぶり」という言葉が我々人間に比べると桁違いの物となっている事だと推測できる、きっとその分感動も遥かに大きい物なのだろう。ただ感動しているのも束の間、ヌラルには1つ心配している事があった。ヌラル「ただ俺達がこうやって来たのは良いんだけど家財道具とかどうやって運べばいいんだよ、鳥獣族(グリフォン)に知り合い

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」315

    -315 下らない真相- 確かにあの日、莉子は渚の様に下っ端達を殴って「一掃した」訳では無いが台所で伸びていた事は事実だ。殴る以外の方法で倒してしまう方法なんてあるのだろうか、ただ転生者達と一緒にいたティアマットのヌラルが1番聞きたかったのはそれでは無かった様な・・・。ヌラル「なぁ・・・、俺はただ結愛の「お袋の味」を知りたかっただけなのにどうしてそんな話になっちゃったんだ?」結愛「そうだよ、母ちゃん!!ここに来てもらったのは母ちゃんの手料理を作って貰おうと思ってなんだよ!!」 『人化』した混沌龍により娘は自分をここに連れて来た目的を思い出したと察した様だが、莉子はその言葉を聞いて少し抵抗感を覚えていた。莉子「結愛・・・、母親としてあんたの長年の願いを叶えたいのは山々だけど出来ないんだよ・・・。」結愛「「出来ない」って・・・、何でだよ・・・。」 その場で顔を蒼白させる母娘、そこまで深刻な理由でもあるのだろうか。莉子「結愛・・・、私ね・・・。」 少し抵抗しながら自分の事を語り出そうとする莉子の言葉を突如後輩が遮った。渚「料理が「ド」の付く程下手だったんですよね。」莉子「あんた・・・、そんな事をよく覚えていたね。」渚「そりゃあそうですよ、うちの若が説明した通りに何度も何度も作り直しても不思議な位まずい料理が出来上がってましたもん。」 そう、渚達がまだ中学生だったあの日に下っ端達が倒れた理由は莉子が試作した不味い料理を繰り返し食べたからであった。渚「見た目だけは若の物とさほど変わらなかったはずなのにそこにいた全員が理由を聞きたかった位不味かったんですもん、誰だって覚えていますって。」 因みにこの事は赤江組の組員達内により「黒歴史」として語り継がれていたという。莉子「だから・・・、何と言うか・・・、ごめんね。今更言うべき事じゃないと思うけど、きっと義弘も料理の出来ない私に愛想を尽かせて追い出したんじゃないかなと思うのさ。」 恥ずかしそうに後頭部を掻いていた莉子は笑いながら語っていたが、義弘が莉子を追い出した理由は全くもってそうでは無い。結愛「そうか・・・、分かったよ。じゃあもう無理は言わない様にするから義弘の事を口にするのはやめてくれ、思い出すだけでも吐き気がするんだよ。」 まるで胃もたれを起こしたかのように腹を摩る結愛、「最悪の高校時

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」199

    -199 過去を思い出して- 恋人達は貝塚学園の入学センター長を兼任するアーク・ワイズマンのリンガルス警部に話せるだけの事を話した、先程結愛の話を含めた『念話』が上手く行かなくなった事や渚の『転送』により送られた荷物が的外れの場所に届いてしまっていた事等だ。しかしその場にいた転生者達の心中には共通してある疑問が生じていた、今回の義弘脱獄事件に転生者達の能力が関係しているのだろうか。 一先ず社長達の疑問を解決するためにリンガルスは3国警察の、しかもそのごく一部の者しか知らない重要事項を思い出していた。これが事件解決の糸口になれば・・・、という一心での行動に俺は敬意を表するばかりであった。

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」189

    -189 必要なのは人同士の繋がり- ただただ呆然と立ち尽くすロラーシュを横目に、「バルフ酒類卸」にて一般客が利用する表側の小売り用の店舗とは打って変わった様に薄暗い倉庫の部分へと渚はゆっくりと進んで行った。ロラーシュ「お姉さん・・・、ここ私達は入って良い場所なんですか?」渚「大丈夫だって、私は以前からここで屋台の食材を仕入れているんだ。それに表向きの店舗はつい最近出来た場所で元々はこんな倉庫だけでの営業だったんだ。」 と言うよりこの世界では渚の屋台以外にもあらゆる外食産業の店を経営する会社達が必ずと言って良いほどこのお店との付き合いをすると言っても過言では無い、その為に先程赤鬼が言

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」188

    -188 大丈夫?- 改めて食材リストを睨みつける渚はあまりにも高額だった為に再び震えていた、これだと今日の経費を全部使うどころか数日分の売り上げを返上しても払える訳が無い。渚「あんたね、うちは見ての通り屋台の拉麺屋だよ。こんな大金払える訳が無いじゃ無いか、いくら後で返金があるって分かっていても買い出しになんて怖くて行けないよ。」 確かに渚が言っている事は正論ではあるが転生者達は元から1京円の資産を与えられているはずなので問題無いがやはりいち経営者としてしっかりとした話し合いをすべきだと簡単に引く訳に行かない様だ、きっと王城からの信用を得て売り上げのアップを見込んでいるのだろう。デカ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」186

    -186 普段優しいコッカトリスは怒ると怖い- 好美にこれ以上飲まれてたまるかと言わんばかりに焦った様子で手に持っていたコーラを一気に口にした守は国王の前だという事にも関わらず大きなゲップをしてしましった、第三者として様子を見ているだけの俺からすれば原因は好美にあるのか守にあるのかが分からない。しかし仲睦まじい恋人達の様子を見ていたデカルトは好美を乗せて地上に降り立った後にただただ笑うだけだったが顔が引きつっていない事を願うばかりであった。守「王様、大変失礼致しました。申し訳ありません。」 頭を深々と下げて謝る守、それに対して腰の低さに定評がある国王は全てを笑って許してくれた様だ。デ

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status