釈迦の人生を物語として楽しみながら学べる本として『仏陀の生涯』を挙げたいです。小説のような文体で書かれていて、釈迦の心情が生き生きと伝わってきます。特に印象的なのは、釈迦が
王宮を出た直後の描写で、栄華を捨てた決断の重みが感じられます。
悟りを開くまでの6年間の苦行や、それまでの宗教的実践との違いが具体的に書かれているので、なぜ仏教が当時のインドで革新的だったのか理解できます。弟子たちとの交流や説法の様子も描かれ、単なる偉人伝ではなく、人間としての釈迦に迫っているのが特徴。難しい哲学的な部分は抑えめで、まずは釈迦という人物を知りたいという人にぴったりです。