議論の的になる人物はいつだって面白い。
高師直という名前を見ると、私の中ではいつも「評価が分かれる理由」を順にたどる癖が出る。
まずは行動の分かりやすさだ。彼が取った決断や手法は、当時の権力構造に強く影響を与えたとされ、そのため賛否が極端に分かれる。私は資料を漁るうちに、 contemporaneous な記録が肯定と否定を同時に含んでいることに気づいた。つまり、支持者は成果や秩序維持を評価し、批判者は手段の過酷さや権謀を強調する。
次に後世の評価のゆらぎがある。時代や史観、あるいはその人物を描く側の政治的・文化的立場によって像が塗り替えられてきた点が大きいと思う。だから私は、高師直を理解するには当時の利害関係と史料の偏りを常に念頭に置く必要があると感じている。