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#21

last update Date de publication: 2025-12-09 23:59:41

 そいつは私に獲物を与えたきた。でも……魔物食べるの身体に悪いし、別にいらないんだよね私。あ、あのぉ……ほんと大丈夫なんで出来ればそのまま回れ右してお帰りいただけると幸いです。はい!

「クゥーン……」

 いや、でも今これを食べなきゃ殺られるかもしれないっていうのも考慮しなきゃだよね。いやでも、うーん……

「クゥーン……」

 いつこいつの堪忍袋の緒が切れて襲いかかってくるかも分からないしそろそろ覚悟決めなきゃだよね。いや、でもなぁ……

「クゥーン……」

「――"わたくしも困ってしまいますわね。"」

「キュッ!?」

 やばい!殺られる!た、食べます!食べますから!許してくださいご主人様!!

「――――――"これ"も念の為試しておくべきですわね。はいどうぞですわ。」

 おにい……ちゃん?

「キャン!!キャン!!キャン!!」

 え?なんで!お兄ちゃん!目を覚ましてよお兄ちゃん!ねぇってば!なんで目を覚ましてくれないの?ねぇ!ねぇ!そんな……いつものイタズラだよね?そうだよね?だってお兄ちゃんかくれんぼ上手だったじゃん!そりゃ正面から戦ったら私が勝つけどさ!

『やっぱり強いな――は。お前自慢の
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  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #54

     落ち着きなさいアビゲイル=ルミナリア。イラつけばその分だけ魔力の制御が雑になってしまいますわ。「すぅ〜はぁ〜。よし!わたくしが殺るべきことはただ一つ。ひたすら攻撃ですわ!鱗が砕けるまで攻撃し続ければ砕けますもの!そしてその後は奴が死ぬまで攻撃ですわね!死ぬまで殴れば死にますし。これぞまさしく頭脳プレイ!やはりわたくしは天才ですわ!脳が冴え渡ってますもの。」 誰も信じてくれないだろうが一応彼女の名誉のために説明しておくと今の彼女は久々の強敵を前に少々?いやだいぶかなり興奮し過ぎていた。そのせいでもうアドレナリンがドッバドバである。それもあってだいぶ頭がゆるゆるになってはいるものの一応選んだ方法は脳筋ではあるものの最適解であった。 いや、もちろん本来であればこの場合撤退すべきではある。これはそれをせず戦う場合の話である。 最適解というより他に方法がないという方が正しい気もするが最適解は最適解である。全身鎧のせいで攻撃出来ない。ならば鎧を砕くしかないのである。 前言撤回をしよう。ただの脳筋である。「アハハハハハッ!当たりませんわねそんなヌルい攻撃!あなたそれでも龍なんですの?そーんな遅い攻撃しかできない上にわたくしの攻撃を躱せもしないだなんて、ただの龍の形をした頑丈な的ではありませんか。」 アビゲイルの煽りが止まらない。今日も今日とてキレッキレである。「あら、ご自慢の鱗にヒビが入ってしまいましたわよ?あらあら今頃焦っていますのね、もう遅いというのに。お可愛いこと。」

  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #53

     現在絶賛一人で全力疾走なうですわ!ん?アインはどうしたのかって?彼は勇敢な殿方でしたわ……彼は尊い犠牲になりましたの。わたくし、彼のことを今後一週間は忘れないことをここに誓いますわ。彼の分まで頑張って強くならなければですわね。「クッ、龍め!このぉ!アインの仇ぃ!」龍「グルッ?」|閑話休題《茶番はそこそこに》 彼のこと、ちょっと強くビンタしすぎましたわね。さすがのわたくしと言えどさすがに猛省ですわ。とはいえ生きてはいますしセーフですわね。まぁ当家のものは優秀ですし、きっと帰った頃にはピンピンしていますわよね。たぶんおそらく?めいび…… あ、見ーつけたぁ!「お久しぶりですクソ龍さん。そして、さようならぁ!」"ガキンッ!!"「やっぱり相も変わらずカチカチですわね!ほんとなんなんですの?魔力で防御してるから固いとかならわたくしも納得できますのよ?魔力切れさせても素の防御力でわたくしの攻撃を普通に耐えやがる龍種は本当になんなんですの?」 ほんと理不尽極まりない存在ですわ。生物ですわよね?一応生物ですわよね?何ナチュラルに魔力で強化した金属以上の硬度を誇ってくれちゃってますの?バカですの?バカですのね。ほんっとうにスペックが頭悪い。僕が考えた最強の生物!じゃねぇんですわよ。そのくせまだ上がいるとかどうなってますの?まじで。

  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #52

    「よし、次は龍行きますわよ!」「は?何言ってるんですかアビゲイル様!?」「聞いてなかったんですの?今から龍を狩ると言っているのですわ。耳でも腐ってらっしゃるの?」「しっかり最初から聞こえてましたよ!残念ながらねぇ!聞こえてるから聞いたんですよ!信じられなくて!思わず耳を疑いたくなる内容だから!もっと行間を読んでくださいよアビゲイル様!それはそうとなんでそんな突然龍狩りだなんて。」「現状の狩りに飽きてきたからですけど……なにか問題でもありまして?」「(飽きてきたからなんか他の遊びしよっか〜!みたいなノリで龍狩りとか言うとか頭おかしいんじゃねぇの?)バッカじゃねぇの?」「ふむ、なにかわたくし聞き間違えてしまったみたいですわね。アイン、もう一度言ってくださる?」「ずびまぜんでじだ。」「あら、何に対する謝罪ですの?わたくしはもう一度言えと言っただけですのに。ほら、無駄な抵抗してないでさっさともう一回言ってくださいまし。わたくしも暇じゃないんですのよ?わたくしが言えと言ったのだからできますわよね?ねぇ、アイン?」「……バッカじゃねぇの?と言いました。」「そうですかそうですか。よーし、アイン!歯ァ食いしばってくださいませ?気ぃ抜いたら魂まで抜けちゃいますからね。」

  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #51

    「右に三歩、殴る。前に一歩、殴る。後ろに一歩、コンマ数秒止まる、右に一歩、左に二歩、殴る。」 クソつまんねぇですわね、これ。対価に高級な重りという名のわたくしのお小遣いを捧げてますけれど……リターン小さすぎて燃えませんわね。ハイリスクローリターンとか誰がやりますの?あ、やってるのわたくししでした。 一応ガッツリデバフ食らったときの予習にはなりましたけどね。ここの魔物は結構真正面から殴ってくるタイプなので出会いませんけれど、身体機能にデバフかけて動きづらい状態に慣れる前に仕留めきるとかいう殺意高めの敵もいるらしいですし、対策はするに超したことはないんですけれどね。 なんせ……絵面が地味。 にしても凄いですわよね、その魔物。そこに来るのだからデバフ喰らっても速攻解除するか適応してその中で最大効率で身体を動かして敵を打倒するのなんて当たり前。だからその前に最短で蹴りをつける。普通デバフで動きを封じたあとに生け捕りにして巣に持ち帰るとかしがちじゃないですか。それをしないでちゃんと最短で仕留める。暗殺者みたいでかっこいいですわよね。 わたくしもなりたいですわね、暗殺者。暗殺者は誰の目に止まることもなく淡々と敵を狩る。わたくしもそんな風に悲劇が起こる前に淡々と狩りたいものですわね。英雄の名声は悲劇を防げなかった証拠ですもの。

  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #50

    「だいたいコツを掴んできましたわ。さてと、そろそろ反撃開始と……いきましょうかぁ!」 にしても誰もわたくしのこと心配してらっしゃらないわね。それだけわたくしの強さを信頼しているということなのはわかっているのですが……なんか寂しいですわ。やはりわたくしも一人の乙女ということですわね。 白馬に乗った王子様とまでは高望みしませんわよ?でも、たまには「君の強さはよく知っている。それでも不安なんだ。君がかすり傷でも負ったら!こんなとき、ただ見ていることしかできない無力な我が身が憎いよ。私も男だからね、好いた女性のことを守りたいんだよ。」とか言われてみたいですわ。「……わたくしって妄想の中の王子様にもかすり傷しか負わないと思われてますのね。あなたの身に何かあったら!とかじゃないんですのね。虚しくなってきましたわ。」 まぁ、実際この重りに傷を付けられたら魔法の効率が下がって瞬殺してしまうんですけれどね。わたくしの付与の腕が未熟というのもあるんですけれど、ギッチギチに詰め込んだせいか魔法の構造が少々弱くなってしまっているんですのよね。 攻撃を喰らえば喰らうほど強くなるという……。そのうえ全身を被っている関係上重りの方が傷付きますし。あぁ、わたくしには過ぎた願いだったのでしょうか……。 世知辛いですわね。そもそも同世代と話す機会がないせいで友人が……この話はここらでやめておきますわ。負けが決まっている勝負なんてするだけ無駄ですもの。

  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #49

    「これは!マジで!やっべぇですわぁ!逝く!逝っちゃいますわ!みゃーーー!!!」一般人視点再び!「えっとアビゲイル様は何やってるんです?」「荷重トレーニング……らしいぞ?一応……。」荷重トレーニング:筋肉に対して通常以上のより高い負荷をかけることができる。そのため、自重トレーニングに慣れた人がさらなるレベルアップを目指す場合に最適。また、効率の良いフォームの獲得にも効果的。トレーニング効果の実感という意味でも、荷重を取り除いた際に身体が軽く感じられ、スピードや跳躍力の向上を実感しやすいため効果的。みんなもやろうぜ筋トレ!まずは自重トレーニングから!無理は禁物!休息日も忘れずにな!作者との約束だぜ!|閑話休題《それはさておき》「違うそうじゃない!なんであの人あんなもん身体につけて竜の巣突っ込んでるんですか!さすがに死にますて!」「アハハハっ!アイン殿は心配性だなぁ。"スンッ"あれが死ぬように見えるのか?」「アハハハハハッ!久しぶりにヒヤッとさせられましたわ!やはり修練はこうでなければいかけませんわね!燃えてきましたわよぉ!」「見えませんね、はい。」「にしても凄いよなアビゲイル様は。ご自身で全力の付与を施してガチガチに硬く重くしてるらしい。その重さで攻撃力が上がってしまうからと、この為だけに独自で攻撃時に装備者から魔力を奪って相殺する魔法を開発したらしいぞ?」「いや、もうそれ呪いの装備じゃないですか!」「あの方はどこまでも規格外だ。だが……いや、だからこそ我々は強くあらねばならぬのだ。あの方が何と戦おうとしているのかを無学故知らぬ。知らぬが、あの方がその敵と戦う時にただ守られるだけの無力な存在いる訳にはいかぬのだ。隣に立てるようになるとまで自らを過大評価していないが、あの方がなんの憂いもなく戦えるように場を整えるのが我ら騎士団の役目と考えている。故に、アビゲイル様を頼むぞ。アイン。」「この命にかえても。まぁ、現状まだまだ程遠いんですけどね。アハハハッ。」

  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #38

     わしが無事だったのは本当にたまたまだ。見るからにヤバい覇気を放っていた彼女から身を守る為にも人一倍ガタイのいい兄弟子の後ろに隠れていたのだ。それでもどうなるかは五分五分。そしてすんでのところで攻撃を上に曲げてくれた彼女の慈悲のおかげで今わしはここに立てている。 彼女には感謝してもしきれない。うちの道場の人間が彼女を何度も侮辱をした。しかも彼女は貴族。こちらは無礼討ちをされても文句の言えない立場なのにも関わらず彼女は一武人としてこの場にやって来たからと水に流してくれたのだ。結果として死者はゼロ人。戦いの中で放った技すら被害に配慮して上向きに放ってくれていた。その戦いは武の頂と言うに相応しい

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-28
  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #40

    「ねぇアイン、わたくしもう眠いんですけれど……。」 アインの勧誘から時は進むこと数刻。アビゲイルは眠気まなこで家路を進んでいた。「アビゲイル様、もう少し頑張ってください。あ、前に防壁が!」「ふわぁー何か言いましたかしら。わたくし、寝ぼけていてよく聞いていませんでしたわ。もう一度言ってくださる?」 ここまで読んだいただいてる読者の皆さんならばお分かりだろう。壁をぶち抜いたのだ。一瞬足りとも減速することなく。もうあと口から放射熱戦でも出せばもはやもう某怪獣である。ゴ……じゃなくて某怪獣との違いは水に沈むことくらいだろうか。「いや、なんでもないです。それより今はどこに向かっているのでしょ

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-29
  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #37

     その攻撃は速かった。 凄まじいバフによって高められた感知能力と演算能力、そして彼女の持つ予知に限りなく近い精度の勘によって導き出された最適のタイミング。アビゲイルは飛び出した。故にその攻撃はありとあらゆる警戒をすり抜け誰にも気付かれることなく遂行される。その一撃はまさに必殺。 その速度のまま突っ込むだけでも凄まじい威力を持つことだろう。だが、そんなのは美しくない。ただタイミング良く飛び出しただけだなんてつまらない。アビゲイルは全て技術と力を出し尽くすと言ったのだ。なればこそ放たれる一撃は全てが計算しつくされ、洗練され、美しくあるべきなのだ。そうあらねばならないのだ。 故に、その速度か

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-28
  • 魔物嫌いの魔食家令嬢   #39 一人目 アイン

    「―――ッ!!―――――ッ!!!」 うーん!身体がバッキバキですわね。にしても何やら騒がしいですわね。何事ですの?「わ、わしを弟子にしてくだせぇ!」「え?いやですわよ。自分で頑張ってくださいまし!」 はぁ……そんな歳にもなって事故鍛錬の方法すら知らないんですの?武の道は自らとの対話ですわよ?それを……まぁここで食い下がる気概を見せたなら……「そ、そこをなんとか!」 この際ですし、治安維持がてら不人気な魔食でも勧めてみましょうか。「うーん、じゃあ魔物食ってきて。」「ま、魔物ですかぁ!?あれって毒じゃ……」 はぁ……わたくしに師事しようとしているにも関わらずそんなくだらない常識

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-29
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