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黒船雷光
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Novels by 黒船雷光

ラリっとボンノー!!〜鬼娘は活力煩悩まみれ、俺は無気力何もない〜

ラリっとボンノー!!〜鬼娘は活力煩悩まみれ、俺は無気力何もない〜

俺は潟梨翔平(かたなししょうへい)大学生。 毎日無気力に生きて、年の瀬のバイト帰り、除夜の鐘をたまたま撞くことになるが、その時に何かが体から解脱する感覚を得る。 特に意識もせずに家に帰った元旦の朝、そこには赤褐色の肌を持つギャル鬼の羅璃(ラリ)がいた。 ぶっきら棒でガサツで喧しいそのギャル赤鬼は、自分の煩悩が分かれて生み出されたのだと語る。 煩悩を受け止めて昇華しないと消えてしまうという羅璃がオレのことを連れまわすことになるのだが…果たしてその煩悩の塊である彼女の行動に振り回される俺はこの問題を受け止めて解決することができるのか?
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Chapter: 弐拾弐話:ゲーム・イン・ザ・ダーク
 天宮司さんがサークル棟から立ち去って、話が終わったのを見計らってか、|山本中《やまもとなか》会長と|中村山《なかむらやま》くんが部室に戻ってきた。|寺社杜《じしゃもり》さんも一緒だ。「おい、|潟梨《かたなし》! マドンナとなんか話してたのか!? 何話してたんだよ!」 中村山くんが興味津々で俺に詰め寄る。山本中会長も、好奇心と、どこか探るような視線で俺を見ている。「え、いや……別に……大した話じゃないよ」 俺は、天宮司さんの秘密を守るために、話を誤魔化した。|羅璃《ラリ》は、何か言いたそうにしていたが、俺が横目で牽制すると、ニヤリと笑って口を|噤《つぐ》んだ。|羅璃《ラリ》は、俺が秘密を守るという約束を果たそうとしていることを理解したらしい。「そ、そんなことより……げ、ゲーム作りの話って……どうなりました?」とっさに、話題を逸らそうと|羅璃《ラリ》見て、思い出したこの前のことを話す。 そして、サークルでのゲーム制作の話になった。「それでさ、どんなゲーム作るかって話なんだけど、たった3人でも皆意見バラバラでさー」 中村山くんが、さっきまでの議論の状況を説明する。「やっぱ、いきなりデカいもの……つまり、世に出ている製品レベルのものを、いきなり作ろうとしても難しいしなって話になった。 まあ、最初はどうしても夢見ちゃうからな~でも、まずは少人数でも作れるような…少人数っていうか、ここにいるメンバーで可能なシンプルなジャンルから攻めてみるのがいいんじゃないかって、山本中会長が言ってて」 山本中会長が頷く。現実的な意見だ。皆、やりたいことはバラバラだが、まずは「出来ることから」始めよう、という方向にまとまりつつあるらしい。これは、以前の惰性に流されていたサークルとは違う、前向きな変化だ。これも、|羅璃《ラリ》がもたらした変化の一つだろう。
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-07-29
Chapter: 弐拾壱話:ゴスロリ巫女と赤鬼娘
 ライブの興奮冷めやらぬまま、俺と|羅璃《ラリ》は三軒茶屋のライブハウスを後にした。 耳の奥ではまだ轟音が響いているような、身体中にビリビリとした振動が残っているような感覚だ。 圧倒された。でも、どこか、心地よかった。 観客の熱狂、ミサト先輩の歌声、そして……サクラのギター。 あの場の全てが、俺の中に何かを刻みつけた。 ◇ ライブハウスの狭い入り口から外に出ると、夜の冷たい空気が肌を刺す。 周囲には、ライブ帰りらしき若者たちがまだ多く、興奮した様子で感想を言い合っている。 俺も、|羅璃《ラリ》も、言葉少なだった。頭の中が、今日の出来事でいっぱいだ。 すると、後ろから声を掛けられた。「……|潟梨《かたなし》君」 聞き覚えのある声だった。振り返ると、そこに立っていたのは……思わず息を飲んだ。 衣装もメイクもそのままの、天宮司さくらさんだ。 白いゴシックロリータファッションに、切れ長のアイメイクと黒いリップ。 普段の、大学のマドンナとしての姿とは全く違う、まさに「白き堕天使達」のギタリスト「サクラ」の姿だ。その姿は、|羅璃《ラリ》のほとんど人間になった(でも角と赤い瞳は健在の)|羅璃《ラリ》姿にも負けず劣らず、夜の街中で異彩を放っている。 |羅璃《ラリ》の赤い肌と、サクラの白い衣装のコントラストが、鮮烈だ。 周囲の視線が、一斉にサクラさんに集まる。さすがにあの格好では、ただ歩いているだけでも周囲をざわつかせてしまうだろう。 天宮司さんことサクラは、振り向く俺たちに微かに会釈した。そして、まっすぐに俺の目を見て、言った。「……明日……講義のあと……話しましょう」 それだけ言うとサクラは、周囲のざわめきを気にする様子もなく、踵を返し、人混みの中に消えていった。まるで、幻を見たかのような、あっけない立ち去り方だった。
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-07-28
Chapter: 弐拾話:ライブハウス・ライフハウリング
 高橋先輩のバンドのライブは、三軒茶屋のライブハウスで行われるらしい。 ダルい。 三軒茶屋なんて、普段降りることもない駅だ。  ネットで調べたところ、そういった店や人が集まる街として割と有名らしい。  全く興味がなかったので本当に縁がなかった。 そして、『ライブハウス』……行ったこともない場所。 高橋先輩に教えてもらったライブハウスの住所を頼りに、|羅璃《ラリ》と共に三軒茶屋の街を歩く。 |羅璃《ラリ》は新しい服を着て、上機嫌だ。 俺も、新しい服と髪型で、少しだけ……ほんの少しだけ、いつもよりダルさが少ない気がする。  でも、ライブハウスという未知の場所への不安の方が大きい。 細い路地に入っていくと、それらしい場所が見えてきた。  ライブハウス。  想像していたよりも、ずっと入り口が狭くて、古びている。 雑居ビルの地下にあるらしく、入り口のドアも小さくて目立たない。  中から、かすかに音が漏れてくるけれど、それがどんな音なのかもよく分からない。(……やめようかな……) 覚悟を決めて来たつもりだった……でも未知に対する抵抗……怖気づいた。 こんなところに、入るのか? 何が待っているのか分からない場所。  人がひしめき合っているであろう場所。 ダルい。 面倒だ。  ……帰りたい。  何度も引き返したくなった。  |羅璃《ラリ》に「やっぱりダルいから帰る」と言おうかと思った。 でも、|羅璃《ラリ》は、期待に満ちた目でライブハウスの入り口を見つめている。  彼女の身体に僅かに残る文様。 それを全て消すためには、俺は進まなければならない。 すると、俺たちの横を、それらしい若者たちが通り過ぎていく。  黒っぽい服を着て、少しだけ尖った雰囲気の人たち。  彼らは、何の|躊躇《ちゅうちょ》もなく、吸い込まれるようにライブハウスの
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-07-27
Chapter: 拾玖話:変身変心・バイト&バンド
 |羅璃《ラリ》に連れられ、古着屋の衣装に着替えて美容院で髪型変えた後、その足で俺は|羅璃《ラリ》を伴ってコンビニのバイトに入った。 見習いとして働くことになった|羅璃《ラリ》は、意外とバイトを楽しんでいるようだった。  デカい声で接客したり、商品の陳列に勝手に手を加えたりと、相変わらず騒がしいが、佐藤店長はため息をつきながらも、もう何も言わない。 |羅璃《ラリ》の持つ、場を掻き乱すけれど、なぜか憎めない雰囲気にチャラにされているのかもしれない。 その日のシフトも、高橋先輩と一緒だった。  そして、高橋先輩は、俺の姿を見た途端、目を丸くして固まった。「……え……|潟梨《かたなし》くん……!?」 高橋先輩の声が、驚きに震えている。その視線は、俺の新しい服と髪型に釘付けだ。「……うわ……マジで……え!?」 高橋先輩は、俺の全身をまじまじと見て、感銘を受けたような、信じられないような表情をしている。  いつものサバサバした高橋先輩からは想像できない、完全に動揺した様子だ。「……ずいぶん……変わったね……」 高橋先輩が、絞り出すように言った。  その言葉には、素直な驚きと、そして、何か別の感情が混じっているように聞こえた。  隣にいた|羅璃《ラリ》が、得意げに胸を張った。「でしょー! 高橋先輩! マジ別人でしょ? 超イケてるでしょ?」 |羅璃《ラリ》は、高橋先輩に詰め寄る。高橋先輩は、まだ俺から目が離せないでいる。「あ、あの……うん……すごい……どうしたの? 急に…」 高橋先輩は混乱している。  無理もない。普段スウェットとTシャツで、髪もボサボサだった俺が、いきなりそれなりに整った格好をしているのだから。  |羅璃《ラリ》は、ニッと笑った。「いやー、それがさ! せっかく高橋先輩のバンドのライブ見に行くのに、いつものしょーへーのくそダサいカッコじゃ、話になんないなーって思って!  だから、私が手伝って、コーディ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-07-26
Chapter: 拾捌話:ファッションパッション
 大学での授業の合間、|羅璃《ラリ》と一緒に学食でご飯を食べていた。 |羅璃《ラリ》は、俺の学食のメニューに興味津々で、「うっわ、これ安いのに美味しそうじゃん!」と俺のトレイから勝手に唐揚げを一つ摘んだ。 ダルい。 人のもの勝手に取るなよ。「ねーねー、学食って毎日メニュー違うの? 明日は何があるかな?」 |羅璃《ラリ》は、学食という場所自体を楽しんでいるようだった。 俺は、味がどうこうより、ただ腹を満たせればいい、という考えだったので、|羅璃《ラリ》のように食事自体に興味を持つことはなかった。 食堂でもふりかけだけ持ち込んで白飯で済ますことさえあった。 これも、|羅璃《ラリ》が言うところの「食欲」という煩悩を、俺が軽視していたということなのだろうか。 |羅璃《ラリ》とそんな他愛もないやり取りをしていると、近くを通りかかった人物に気づいた。 天宮司さくらさんだ。 学食には、いつも一人で来ていることが多い。 今日も、トレイを持って席を探しているようだ。|羅璃《ラリ》も、天宮司さんの存在に気づいたらしい。 一瞬、|羅璃《ラリ》の顔に緊張の色が走ったが、天宮司さんはただ普通に、少し離れた席に座った。 何も起きない。|羅璃《ラリ》の身体の文様が消えることもない。 |羅璃《ラリ》は、警戒を解いたのか、「なーんだ」という顔をして、再び唐揚げを頬張った。 天宮司さんは、座った席から、俺と|羅璃《ラリ》の方をちらりと見た。 そして、微かに、本当に微かにだが、口元に笑みを浮かべたように見えた。「……上手くやっているみたいね」 声に出して言ったわけではないだろう。 でも、視線と表情で、そう言われたような気がした。 俺と|羅璃《ラリ》が、食卓を囲んで一緒に食事をしている。 その様子を見て、天宮司さんは何かを感じ取ったのだろうか。 |羅璃《ラリ》の本質を認識できる天宮司さんだからこそ、|羅璃《ラリ》が俺に
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-07-25
Chapter: 拾漆話:コンビニコンビ・バイトバンド
 サークルでの一件から数日後。 俺は久しぶりにコンビニのバイトに出ることにした。 正月休みと、それに続く|羅璃《ラリ》との「ラリった」日々で、すっかりシフトを休んでいた。 そろそろ行かないと、佐藤店長に何を言われるか分からない。 それに……少しだけ、働くという「生産的な」行為から逃げ続けるのも、違う気がし始めていた。 |羅璃《ラリ》は、俺がバイトに行くと言うと、「私も行く! バイトしたい!」と言い出した。 当然断ったが、「なんで! 私、活力注入できるのに! しょーへー一人だとまた無気力になるじゃん!」と聞かない。 押し問答の末、|羅璃《ラリ》もバイトについてくることになった。 ◇ 約一週間ぶりのバイト。 コンビニの自動ドアをくぐると、佐藤店長がレジに立っていた。 いつものぼんやりした顔だが、俺と|羅璃《ラリ》の姿を見ると、微かに目を見開いた。「おやおや、潟梨くん。|羅璃《ラリ》さんも。久しぶりですね。おや……なんだか、雰囲気が変わりましたかな?」 佐藤店長は、俺たち二人をじっと見て、そう呟いた。 雰囲気? |羅璃《ラリ》の見た目の変化には触れないが、俺たちの周りに漂う空気が、以前とは違うことに気づいたらしい。 |羅璃《ラリ》が現れてからの、様々な出来事を通して、俺自身も、無気力なだけではいられなくなっているのかもしれない。それは、他の人間にも伝わるくらいの変化なのだろうか。「そーなんですよ店長! しょーへーもちょっとは人間らしくなってきたんです! てか店長! 私もここでバイトしたいです! 雇ってください!」 |羅璃《ラリ》は、店の奥にいた高橋先輩にも聞こえるようなデカい声で、いきなり主張し始めた。高橋先輩も、|羅璃《ラリ》の姿に驚いて、こちらを見ている。「え、バイトですか? |羅璃《ラリ》さんが? 面白いけど……」 佐藤店長は困惑している。 無理もない。こんな奇抜な見た目の赤鬼ギ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-07-24
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