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Romans de 07upper

最強少女騎士が魔王の娘の護衛になりました!? ~人類にも魔族にも狙われる姫様がいつの間にか世界平和の鍵になっていた件~

最強少女騎士が魔王の娘の護衛になりました!? ~人類にも魔族にも狙われる姫様がいつの間にか世界平和の鍵になっていた件~

人間と魔族の戦争が終わりかけたある日、人類最強の聖騎士ソフィアは、和平の証として送られてきた魔王の娘ルナリスの護衛を命じられる。魔族なんか大嫌いな騎士と、人間なんか大嫌いな姫。仲良くできるわけがない。それなのに刺客は来るし、旅は始まるし、ルナリスはなぜか人間の焼き菓子に完全敗北する。 これは、敵同士の少女二人が、世界中に狙われながら少しずつ隣に立っていく物語。
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Chapter: 第3話 魔王の娘、人間のお菓子に負ける
 魔王の娘、ルナリス・ヴェルグリムは眠れなかった。 王城内に用意された客室。 ふかふかのベッド。清潔なシーツ。香りの良い花。窓の外には、まだ夜明け前の王都が広がっている。 和平の証として送られてきた魔王の娘に対し、人間側は腹立たしいほど丁寧だった。「……気に入らないわね」 ルナリスはベッドの上で膝を抱え、小さく呟く。 人間は嫌いだ。大嫌いだ。 魔族を恐れ、憎み、都合の良い時だけ和平を口にする。 そんな連中に用意された部屋で、安心して眠れるほど、ルナリスはお人好しではない。 それに――。「ぶっ殺したい本能と戦っています、ね」 昨日会ったばかりの聖騎士――ソフィア・ストレイルの言葉が、頭から離れなかった。 あの女は、魔族が嫌いだ。自分も嫌いだと言われた。 なんなら、殺したいとまで言い切った。 なのに、守った。 人間の刺客から。人間の王城で。人間相手に迷いもなく。「……意味が分からないわよ、なんなのよあいつ」 ルナリスはずっとソフィアのことを考えていた。 あの女の中では、矛盾していないのだろう。 魔族は嫌い。けれど護衛対象なら守る。命令なら、絶対に守る。 全く意味が分からないくせに、妙な安心感がある。 それが、ソフィア・ストレイルという人間なのかもしれない。「だからって、姫を前に堂々と殺意を宣言する必要ある?」 ルナリスは枕に顔を埋めた。 その時、扉が叩かれた。「ルナリス様。起きていますか」 聞き覚えのありすぎる声だった。「起きてるわよ。何よ、朝にはまだ早いでしょう」「出立準備の確認に参りました」「はぁ!? 早すぎない!?」 扉を開くと、そこには完全武装のソフィアが立っていた。 白銀の髪は綺麗に整えられ、鎧には曇り一つない。腰には剣。背筋は真っ直ぐ。 そしていつも通り、無駄に真面目な顔をしている。仏頂面と言ってもいいかもしれない。「早いとは認識していません。現在、夜明け前です。余裕を持った行動が生存率を上げます」「人を寝不足で殺す気?」「……困りましたね。睡眠不足は判断力を低下させます。何故こんなことが起きたのか……」「あんたよ。あんたのせいでしかないのよ」 ソフィアは少しだけ考えた。「今から寝直しますか? 今なら私も傍に控えておりますが」「一番眠りの妨げになっている奴が吐く台詞じゃないわね!
Dernière mise à jour: 2026-10-22
Chapter: 第2話 魔王の娘、さっそく狙われる
 黒装束の刺客たちが床に降り立つ。 一人は短剣。 一人は魔法杖。 一人は手斧。 装備に統一感はない。だが、三人から放たれる殺気は同じ方向を向いている。 狙いは、魔王の娘ルナリス・ヴェルグリム。「ソフィア!」 アルヴィナの声が広間に響いた。「可能な限り生かして捕らえなさい! 背後関係を調べる必要があります!」「了解」 ソフィアは即答した。 それを聞いて、ルナリスは少しだけ目を細める。「へぇ。殺さないんだ」「団長命令ですので」「命令がなかったら?」「ぶっ殺します」「そこは少し取り繕いなさいよ!」 ルナリスの抗議に答える暇はなかった。 短剣を持った刺客が、床を蹴る。 速い。 並の騎士では目で追うことも出来ない速度。 その瞬間、ソフィアはこの刺客がただの雇われじゃないことを悟る。気になることも多々ある。 しかし、今は迎撃が優先。そして、相手の動きは、ソフィアにとっては遅すぎた。「一人目」 ソフィアの姿が消えた。 否、そう見えただけだ。あまりにも無駄のない踏み込みにより、周囲の視線が追いつかなかったのである。「がっ!?」 刺客の手首から短剣が弾け飛ぶ。 次に膝裏を蹴られ、体勢が崩れたところへ首筋に剣の柄が入った。 刺客は白目を剥き、その場に崩れ落ちる。「見てくださいルナリス様。これが未来の貴方の姿です」「やっぱりあんた、私のこと殺す気じゃない!」「失礼。本音が漏れました」「漏れてるどころか決壊してんのよ!」「ですがご安心を。任務なので手荒なことはしません。ルナリス様は斬らず、折らず、気絶させませんので」「当たり前よこの馬鹿!」「仲良く喋っている場合ですか!」 アルヴィナの鋭い声。 だが、それはソフィアに向けたものではなかった。 魔法杖を持つ刺客が、巨大な黒炎を生み出していた。 その炎はただの炎ではない。魔力を食らい、肉体ではなく生命力そのものを焼く呪いの炎。 広間にいた騎士たちが一斉に顔を強張らせる。「黒炎……魔族の魔法か!?」 誰かが叫んだ。 その瞬間、広間にいる人間側の騎士たちの視線が、僅かにルナリスへ向いた。 ルナリスはそれに気づいた。 ――あぁ、またか。 ルナリスの心の声は、諦めの感情が滲んでいた。 自分が攻撃されている側であるにもかかわらず、疑いの視線が向けられる。 
Dernière mise à jour: 2026-09-30
Chapter: 第1話 魔王の娘を護衛せよ
 ――魔族は敵である。絶対に殺すべき敵だ。 少なくとも、ソフィア・ストレイルはそう教わってきた。 魔族の証たる角を持つ者は斬れ。牙を剥く者は斬れ。人に害を成す者は斬れ。 そこに迷いなど必要ない。何故なら、聖騎士とは魔族を斬り裂く聖剣であり、人類を守る|聖盾《せいじゅん》なのだから。「――遅いです」 王都中央訓練場。 十人の聖騎士が、同時に地面へ転がった。「ぐぁっ!?」「な、何だ今の動きは……!」「見えなかったぞ!?」 悲鳴と困惑があちこちから上がる。 木剣を握った若き騎士たちは、皆、王国の聖騎士団でも精鋭たちだった。魔族との戦場を生き抜き、勲章を持ち、酒場で語れば周囲から拍手される程度には強い。 だが、その若き獅子たる十人はたった一人の少女に、一分も持たなかった。 白銀の髪をセミロングにした少女――ソフィア・ストレイルは、乱れた息一つ吐かず、手にした木剣を下ろす。 倒された若き騎士たちはその所作の美しさに、思わず息を吞む。「これで終わりですか?」 その言葉に、訓練場が静まり返った。 ソフィアに悪気はない。ただ、純粋に確認しただけである。 だが、倒れている騎士たちからすれば、煽られているようにしか聞こえなかった。「言い方言い方。ソフィアちゃんや、もう少し言い方を考えなさいな」 訓練場の端から、呆れたような声が飛ぶ。 声の主は、聖騎士団副団長ガルド・グランベーズ。長い黒髪を後ろで束ねた、少しちゃらんぽらんそうな印象の男性騎士である。「申し訳ありません。では、言い換えます」 ソフィアは少し考えた後、倒れている騎士たちへ向き直った。「続けますか? まだ動ける方から順番に、もう一度倒します」「言い換えた結果、悪化しているっつーの」「え?」 ソフィアは小さく目を見開いた。どうやら本当に分かっていないらしい。 その様子を見て、ガルドは深いため息をついた。「なんつーか……。お前さん、剣以外のことになると本当に不器用だな」「不器用? 何のことでしょうか? 私は常に手を抜かず、物事に向き合っているだけです」「それが不器用なんだっつーの」 周囲の騎士たちは何も言えなかった。 目の前の少女はまだ十六歳。 しかし、戦場において彼女の名を知らぬ者はいない。 ――銀閃光のソフィア。 魔族との戦争において、幾度も最前線を切り
Dernière mise à jour: 2026-09-30
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