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chapter39

Penulis: 水沼早紀
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-30 16:32:52

✱ ✱ ✱

「瑞紀、そろそろ仕事に行くぞ」

「はい」

 課長とこんな風に一緒にいられるのは、私たちが"運命"って証拠なのかな?

 私は課長に出会えたこと自体が"運命"だって信じてる。

 きっと課長に出会えなければ、私は絶対仕事にばかり集中して、周りが見えなくなっていたかもしれない。

 今だって課長と一緒にいると、周りが見えなくなってしまうけど、それでも会社ではちゃんと公私分けているつもりだ。

 確かに課長はカッコイイし、誰にでも優しくて。 本当に頼りになるし、仕事だって誰よりも出来る人だ。

 課長は紳士って感じだから、自然とモテてしまうだろうけど。それでも今、課長のそばにいるの私。

 他の誰でもなく、課長に愛さているのは、紛れもなくこの私だ。

 だから自分に、自信を持ちたい。 課長はなにも心配しなくていいと言うけど、本当は私だって不安なんだ。

 課長といられるのは嬉しいけど、会社ではただ上司だし、それだけで不安になってしまう。

 それに私より美人で、キレイな人なんてたくさんいるし。

 不安にならない方がおかしいよね。 会社では会社の上司だから、仕方ないけれど……。

 本当は私だって、課長の彼女であることを内緒になんてしたくない。 むしろ社内恋愛として、みんなの前で堂々としたいなんて、小さな願いもあるのだけど。

 課長だってそれは分かってると思うけど、公私を分けようって最初に言ったのは私だから。

 だからそんなわがままを受け入れてほしいだなんていうのは、やっぱり私のエゴなのかもしれない。

 それに私は課長に、いつもたくさん迷惑ばかりかけてきてる。  だからこれ以上、課長に迷惑はかけられない。

  それで課長に嫌われたら、怖いし。  まあ課長は優しいから、私のことを嫌いにならないと言ってくれる気がするけど……。

 もし万が一課長になにかあった時、私はきっと声を上げて泣くだろうな。

 好きな人が、大事な人が傷ついていく姿を見たくないと思うのは、当然のことだと思うから。

 私だって分かってる。 課長が会社で私と接しているのは、あくまでも仕事場での付き合いだ。

 会社での私たちは、ただの上司と部下。きっとそれ以上でも以下でもない。

 私たちは恋人同士なのに、なぜ上司と部下なのだろうか……と思うけど、もし公私を分けなかったら、私たちは一体どうなっていたのだろうか。

 課長
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