✱ ✱ ✱「……え?」 えっと……これは一体、どういう状況だろう? 頭をフル回転させて考えるけど、私の脳内が追いつきそうにない。 ーーーそう。 もしかしたら全ての始まりは、あの夜からだったのかもしれない。 そう……今まさに置かれている状況がそれを物語っている。 私たちの目の前に居る男性は、間違いなくあの夜に甘い一夜を共にしだ彼゙だ。 ……なんで? 今彼と目が合った。「皆さん、まだまだ未熟で分からないことばかりですが、課長として精一杯頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします」「よろしくお願いします」 これからどうしよう……私。 まさかここに居る男性が、あの夜を共にした男性、そして私が働く部所の"課長"だなんて……。 気まずくてしょうがないよ……。 確かに、一夜限りだったから安心してたんだ。 もう二度と会うことは、ないだろうと。 そしたら、私が働く部署の課長としてやってきて……。 私、どうしたらいいかわからないよ……。まさか仕事場まで一緒になる、なんて……。 はぁああああ……。今さらだけど、あの夜のことを後悔している自分がいる。 * * * それは遡ること、五日前のことだ。 私は、日頃のストレスをお酒を飲んで解消していた。 私のストレスの解消の仕方は、いつもお酒を飲むことだ。 お酒を飲まないと、やっていられない。 うるさい課長に毎日文句を言われながら仕事をしていると、そりゃあもうストレスが溜まってしょうがない。 こっちは毎日徹夜で仕事しているのに、仕事の失敗を全部私に押し付けられて。 おまけに後輩の失敗は、全部私の教えが悪いとかなんとか言われてしまう。 私はただ、言われた仕事をしているだけなのに。 なのにあんなに文句言われるなんて……。私って、本当に最悪だ。 この会社だって私がここに入りたくて、入ったのに。 新人だからって理由で雑用ばっかりやらされて、本当になんでこんな会社に入ったんだろうって、今さら後悔する。 こんな会社、入らなきゃよかった……。 そんなことを考えながら一人でお酒飲んでいた時、ちょうど私の隣に、彼が座ったんだ。 それが縁だったのかどうかなんて、分からないけど、彼と意気投合して話が弾んじゃったんだっけ。 で、お店を出る時は彼がお金払ってくれて……。 そ
Terakhir Diperbarui : 2025-06-05 Baca selengkapnya