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落ち目女優の幸福/※体と心を重ねて

Author: Kaya
last update Huling Na-update: 2025-07-18 19:20:00
 「好きって………言った…………」

 昴生の両目が見開く。

 物凄く驚いたような顔。

 そんな顔初めて見た。

 うん。そう……自分でも驚いた。

 でもそう思えた。

 自然と溢れてしまうくらい。

 この何ヶ月かのうちに、昴生に当たり前のように惹かれていた。

 これだけ優しくされて、彼に惹かれない人なんているんだろうか。

 ただやっと素直に、その事実を認める事ができる。

 「侑さん……。「飼育」の効果、やっと出たんですね。ははっ……俺の作戦勝ちだ。」

 相変わらず言う事は不思議だけど、昴生はもう耐えきれないといった感じに、今度こそ強く私を抱き締めた。

 その顔は少年みたいに本当に嬉しそうで。

 「うん……「負けた」みたい。」

 眉尻を下げて穏やかに微笑む。

 ただただ、彼が愛おしく思えて。

 「侑さんっ………!ズルい……そんな顔して笑われたら俺もう、本当に、もうっ………」

 もう、侑さんを遠慮なく抱くから。

 耳元で昴生の掠れた声が聞こえた。

 ***

 初めて入った昴生の部屋は、普段からする彼の匂いがした。

 ご飯もお風呂も後回しにして、昴生は私を自分のベッドに押し倒した。

 薄暗くした部屋の照明がやけに印象的だ。

 「侑さん俺…臭くない?帰りがけに軽くシャワー浴びてきたんだけど……もし、侑さんが気になるなら。」

 すでに上半身はシャツを脱ぎ、逞しい体を晒しているのに、昴生はこんな時にもふと冷静になれてしまうらしい。

 両腕で体重をかけないようにしながら、熱い瞳で見おろす昴生を、私もぼんやりと見上げた。

 「私は気にならないから……それより私こそ今日はまだシャワーを浴びてないよ…?」

 年下の昴生に赤面しながら言うと、なぜか嬉しそうに笑われた。

 「うん、いい。

 その方が……侑さんを堪能できる。」

 ………堪能って何だろう。

 その意味を私はすぐに思い知る事になるんだけれど。

 「侑さん……上着、脱いでくれる?」

 心臓が煩く騒ぐ。

 昴生の足の感触や重み、優しく囁く声に、つい蕩けさせられてしまう。

 自分から脱ぐなんて恥ずかしい。

 「それとも……俺が脱がせていい?」

 少し挑発するような視線を向け、昴生は私の右手にキスをした。

 「ん……っ」

 思わず声を漏らすと、昴生がさらに嬉しそうに瞳を輝かせた。

 「堪らない。

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