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第3話

作者: 捨陸
晴海が家に着いて車を降りた時、ぼんやりしていたせいか、うっかり転んでしまい、腕に大きな青あざができた。

運転手がすぐに駆け寄って彼女を助け起こし、ためらいながら言った。

「奥様、社長にご連絡しますか?」

「必要ないわ。今日のことは一言も言わないで」

晴海が帰宅して間もなく、辰見も慌ただしく戻ってきた。

靴も脱がずに寝室へと駆け込んできた。

「どうして僕を待たずに帰ったんだ?」

「急に疲れを感じて、先に帰って休もうと思ったの」晴海はそっけなく答えた。「あなたが電話してるのを知ってたから、わざわざ言わなかったのよ」

辰見はそれを聞いて安心した様子で、彼女の肩やこめかみを優しく揉みはじめた。

「今日は大変だったね。僕がしっかり労ってあげるよ」

彼の体には香水の匂いと、ほんのりとした乳のような匂いが染みついており、それが晴海には吐き気を催させた。

彼女は顔を背けたが、辰見の手がちょうどさっき打った青あざに触れて、思わず悲鳴を上げてしまった。

「どうした?僕の力が強すぎたか?」辰見は慌てて言った。

晴海は傷を押さえ、痛みのあまりしばらく声が出なかった。

辰見がのぞき込もうとしたその時、不意に電話が鳴った。

彼が出ると、電話の向こうで女の子がすすり泣きながら話した。

「辰見さん、やけどしちゃったの……手伝ってくれないかな……」

辰見は困った顔をした。

「ごめんよ、柔ちゃん。今日は晴海の誕生日なんだ。僕は行けないけど、タクシーで病院に行ってくれるかい?費用は僕が持つから」

電話を切った後も、彼の表情には明らかに心ここにあらずの様子が浮かんでいた。

その姿を見ていた晴海は、うつむいて無言で笑った。

その笑顔は、泣くよりも痛ましかった。

彼女は顔を上げ、静かに言った。

「行ってあげて。あなたが彼女のことを心配してるのは分かってる」

辰見は少し躊躇したが、結局上着を手に取った。

「じゃあ行ってくるよ。様子だけ見てすぐ戻るから。柔ちゃんは京市には身寄りがいないし、支援すると決めた以上、ちゃんと責任を持たないと。心配しないで、すぐ帰るよ」

辰見が出て行って間もなく、晴海はSNSを開き、あるユーザーのページを見に行った。

二時間後、そのぬいぐるみのウサギをアイコンにしたユーザーがこう投稿した。

【お湯をこぼして火傷しただけなのに、彼はすぐに駆けつけてくれた】

動画には、背の高い男性が小柄な女性を抱き寄せて、うっすら赤くなった箇所を優しく見つめ、最後にはその手を取り、唇でそっとキスする様子が映っていた。

顔は映っていなかったが、それでもコメント欄は羨望に満ちていた。

【甘すぎる……私の推しカップルがまた更新してくれた!体格差にキュン死】

【俺様系社長×清楚系、最高!もっと更新して〜!】

晴海は数ページ読み進めたところで、気分が悪くなり、ページを閉じた。

猿田柔(さるだ やわら)は、晴海と辰見が成功した後に最初に支援を決めた子だった。

初めて彼女を見た時、清らかなその瞳に晴海は心を打たれ、自ら決めて、高校中退の彼女を大学卒業まで支援してきた。

まさか、その支援が夫の愛人を育てる結果になるとは。

淑絵のようにあからさまではなく、柔は晴海に気づかれないよう、辰見との関係をひた隠しにしていた。

もしもネット好きな友人が偶然彼女のアカウントを見つけて教えてくれなければ、こんな汚らしい関係を彼女が知ることはなかっただろう。

ふと我に返ると、二つのメッセージが同時に届いた。

辰見:【ハニー、道がひどく混んでて、帰るの遅くなるかも。疲れてたら先に休んで】

友人:【晴海、さっきあなたの旦那が女連れてバーに入ってくの見たよ。場所送るから、急いで行ってみて!】

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