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第3話

Author: 水無月
私は服を玄関に置き、クリーニングに出すことにした。そして寝室に戻った。

私が入ってくると、文宏は嬉しそうに言った。

「さすが俺の妻だ。もう終わったのか?あれは静香のお気に入りのワンピースだから、綺麗にしてやってくれよ」

私は頷き、フェイスパックをしようとした。

そのついでで、ベッドサイドにあったタブレットでドラマでも見ようかと思った。

文宏も携帯を手に取り、誰かにメッセージを送っていた。

タブレットにメッセージの通知が届いた。開いてみると、文宏のラインがログインされていた。

【文宏、本当にありがとう。久しぶりに、こんなに美味しい和菓子が食べられたわ】

【あそこはいつも混んでるから、大変だったでしょう】

文宏は私をチラッとみてから、ひたすら携帯をいじってた。

【気に入ってくれて良かった。また買ってきてやる】

【お前は俺の妹みたいなもんだからな!】

静香が再び返信した。

【それで、シーツはどうなったの?生理の汚れがついてるんだけど、葵に洗ってもらうの、本当に大丈夫?】

【もし彼女が嫌がるなら、仕方ないけど】

文宏は優しく微笑んだ。

【平気さ、水で洗わなきゃいけないらしいから、お前にはさせられないよ。彼女なら慣れてるし、大丈夫だ】

私は動きを止め、思わず文宏を見た。

結婚してからというもの、家事の大小に関わらず、電球の交換さえ自分がやってきた。だから、彼にとって自分は「慣れてる」ということなんだろうか。

私はタブレットを置き、これ以上見るのはやめた。

フェイスパックを洗い流した後、文宏が私の耳元で囁いた。

「葵、輝に呼ばれてちょっと出かけてくる。先に寝ててくれ」

私はベッドで小さく頷いた。

彼が服を着ている時、私は小声で尋ねた。

「文宏、もしあなたが帰ってこなかったら、許しのカードを一枚使うわよ?」

私は彼を見つめながら、悲しさで、声が少し震えていた。

彼はネクタイを締めながら、いつものように微笑んだ。

「いいよ」

文宏は髪を整え、気にしない様子だった。

「でも、すぐに戻ってくるから。カードを使うまでもない」

彼のそのすました態度に、私は涙をこらえながら布団に潜り込んだ。

そして「うん」と頷いた。

今は夜10時。「すぐに戻ってくる」と言って出て行った彼を見送った。

そして、出前を頼んで、あの老舗の和菓子を買ってきてもらった。

ふっと見ると、輝がインスタに彼女とのデート写真を投稿していた。

ちょうどその時、文宏からもメッセージが届いた。

【もう輝とあったよ。もうすぐ帰る】

すでに時間は12時間近だった。

過去のインスタ投稿を見返していると、文宏のプロポーズを受け入れた時の投稿が目に留まった。

私はそれをリポストした。

【時間が経つのは早いね】

文宏はハートマークのコメントを送ってきた。

そして、オフィスのデスクの写真を送ってきた。

【仕事中。お前が恋しい】

私は彼とのDMを閉じた。

もう相手にしないつもりだ。

彼は、あの写真が先月、私が彼の携帯で撮ったものだということも忘れているのだろう。

あれは今日撮った写真ですらない。彼は私に嘘をつくだけでなく、適当にあしらっていたのだった。

静香もインスタに投稿していた。まるで、私に見せびらかすかのような投稿だった。

【大人になったらお嫁さんにしてくれるって約束をしたのに、守れなかったからって今更後悔してる】

写真には、二人の手が重なっており、文宏の人差し指のほくろがはっきり写っていた。

私はソファに座り、文宏が記録していたプロポーズのビデオを見ながら、買ってきた和菓子を食べていた。

昔は大好きだった和菓子も、今は美味しく感じない。

もう好きではなくなったのかもしれない。

そして、好きではなくなったのは、和菓子だけではないようにも感じた。

あれから文宏からメッセージは来なかった。

私は携帯をテーブルに置き、自分の荷物をまとめ始めた。

時間はすでに午前0時を回っていた。

最後の許しのカードに印鑑を押そうとした時、

携帯が鳴った。文宏からだった。

「葵、もう寝た?待たなくていい。ちょっと用事ができたから、今日はもう帰らない。

許しのカードを使っておいてくれ。明日帰る時、和菓子を買って帰るから。それじゃ、立て込んでるから、もう切るぞ」

まだ私が何も言えないうちに、文宏は電話を切った。

携帯をテーブルに置いた拍子に、カップに当たってしまった。

婚約後に一緒に作ったペアカップが、二つに割れた。

私たちの関係も、これで終わりなのだろう。

私はラインを開き、文宏にメッセージを送った。

【そういえば、許しのカード、もうないの】

【離婚しよう】

すぐに、私の携帯に何度も電話がかかってきた。
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