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私はこの子を産んで億万長者になってみせる

私はこの子を産んで億万長者になってみせる

By:  9マスCompleted
Language: Japanese
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残業中に突然死した後、私は家族に捨てられた偽りの令嬢に転生してしまった。 本物の令嬢は慌ただしく私から全てを取り戻すのに忙しく、私のほうはというと手元にある貯金で暮らし、たった三日で彼氏を三人も取り替えのんびりと過ごしていた。 それから、私は二か月後に妊娠していることが発覚するのだった。 しかし、子供の父親が一体誰なのか見当もつかなかった。 私はあの三人のところに一人ずつ会いに行った。すると、その有能社長たちはみんなその子供が誰のなのか二千億の賭けを始めたのだ。 三人が言い争っている時、私も手を挙げてそれに参戦した。 「この子はあなたたち三人の子供よ」 三人は私にあきれて全く信じていなかった。 でも出産の日、三人は自分の子供だと争いネットを騒がせることになるのだった。

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Chapter 1

第1話

「おめでとうございます。妊娠二か月ですよ」

私は医者のこの言葉を聞いて、ぽかんとしてしまった。

この子の父親が誰なのか、全く見当がつかなかったからだ。

連続半月に及ぶ残業の後、私は突然過労死した。意識を失う前、あのブラック企業の社長の驚き恐れた顔を今でもはっきりと覚えている。

心のうちで、これは思い切って彼をいたぶってやらないと損じゃないかと思っていた。

しかし、そんな暇はなく私はそのまま息絶えてしまったのだ。

良い知らせ:私は死んでいない。

悪い知らせ:私は転生した。

私が転生した先は、ヒロインとは正反対の立場である偽りの令嬢で、ヒロインに危害を加えたせいで家から追い出されたところだったのだ。

追い出される前の一秒でも前に転生していれば、恥もなにもかも捨てて、大暴れしてやったのに。

しかし幸いなことに、何年間も貯めていたへそくりを私は持っていた。

私は急いで携帯を開いて、自分のへそくり額を確認した。そこには何千万もの貯金があり、思わず笑みがこぼれ、おかしくなってしまうところだった。

このくらいの金額は、名家の金持ちにとってはどうということはないが、この数か月間、前世で必死にもがき苦しんで数万円を稼いでいた社畜にとっては、棚から牡丹餅どころではなく金塊くらいの大金なのだ。

転生先の物語で次に起こるであろう悲劇を思い出し、それから逃れるべく、すぐにヒロインから遠ざかり気ままに過ごしていく決意をした。

突然死したショックを和らげるために、すぐにバーに飛び込むと、ずっとやってみたかったことをしてみた。

大金をはたいて、十人の男性モデルをオーダーし、まずはメンタルケアをするのだ。

男たちが私を呼ぶ声を聞いてうっとりし、突然死したという事実を空の彼方へと葬ってやった。

更には三日で三人の彼氏をとっかえひっかえし、夜な夜な花嫁気分を味わった。

ただ、それで妊娠してしまうとは。

私は確かにしっかりと避妊したはずなのに、まさかの一発入魂。

やってしまった。

子供の父親が誰なのか全くわからない。

家に帰ってソファに寝転がり、手に持った診断書を見つめた。時間を遡ってみると、父親候補は三人いた。

これじゃ、まるでガチャと同じじゃないか。

私はこの子を一人でこっそり産むつもりなど毛頭なかった。確かにお金はあるが、お金のかかる子供を養うには厳しい問題だ。

その三人の連絡先をブラックリストの中からひっくり返し、その苗字を見た瞬間、安心感で満たされた。

この子のミルク代は確保できた。

三人の名前はそれぞれ、西園寺、桐生、白鳥だ。

長年小説を読んできた経験者から言わせてもらえば、これはもはや有能社長の匂いがぷんぷんしていたのだ。

それぞれが超金持ちじゃないと、こんな苗字に相応しくないだろう。

誰から先に賭けてみようか?

肝心な時に、優柔不断なところが出てきて困る。

しばらく悩んでも、誰から先に連絡するか決められなかった。

当初、私は彼らと寝た後すぐに別れを切り出し、次の日立て続けに新しい彼氏を作ったものだから、彼らに連絡して殺されないか心配だった。

私はお腹をさすり、心のうちで免罪符がここに存在しているのだから大丈夫だろうと考えていた。

私は三人にメッセージを打ち、彼らに送信して誰が一番に返事をくれるか待っていた。

思いもせず、西園寺隼がすぐに返事をしてきた。

この男はとてもノリが良い。あの時、ベッドの上でも遊び慣れている感じだった。

全く未経験者のようには見えなかった。

「俺に連絡する勇気があるとはな」

画面越しに彼からの怒りが読み取れて、少し及び腰になってしまった。

しかし、お金を稼げる金の卵をお腹に宿していることを思うと力が湧いてきて、診断書の写メを撮って彼に送りつけた。

「私妊娠したの。たぶんあなたの子よ」

次の瞬間、電話がかかってきた。

私は少しためらって、電話に出た。

怒り狂った声が電話越しに聞こえてきた。「瀬戸葉月、はっきりと言え。なにが『たぶん俺の子』なんだ?」

怒っている彼の様子に、私は怖くて声が出せなかった。

「瀬戸葉月、さっさと答えろ」

私は指と指を絡めて、どもりながら答えた。「あの日、私たちが別れた次の日、新しい彼氏を見つけたの覚えてるでしょ?」

電話の相手は冷血な声で、歯ぎしりして言った。「だから、他人の子供の父親になれって?」

私は不機嫌になり小声で反発した。

「なにが他人の子供の父親よ?33パーセントの確率であなたの子供でしょう。なんてこと言うのよ」

彼はそれを聞いた瞬間、怒りを爆発させ私に怒鳴りつけた。「なにが33パーセントだ?まさか俺の次の日にもう一人とやった後、さらに二日後にまた一人新しい奴を探したとか言わないよな?

瀬戸葉月、たいした女だよな。俺たち二人じゃお前を満足させられなかったってか?」

その質問に私はどう答えればいいのかしら?

がっしりとした引き締まった身体にスラリと伸びた足。それに加えて八つに分かれた鍛え上げられた腹筋の超絶良い体を目の前にして、我慢できる人間がいるだろうか?

私は我慢なんて無理よ。このまま知らんぷりしよう。
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