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第490話

Author: 雲間探
玲奈は役所を後にし、会社に戻った時には、まだ朝礼に間に合うほど早かった。

玲奈が席に着くと、礼二は小声で尋ねた。「手続きは?早くない?」

玲奈は軽くうなずいた。

智昭との間には争いがなく、離婚についての態度もむしろ積極的だったから、手続きは自然と早く進んだ。

礼二はまた言った。「もし今までの色んなことがなければ、今日で正式に離婚できたはずだが、結局また手続きが完全に終わるまで待たなければならない。今回は引き延ばさないで。前回のようにまた基地に入ってしまったら、期間切れになって最初からやり直す羽目になる。面倒じゃないか」

「分かってる」

前回は、玲奈と智昭は翌日に離婚届を提出する約束をしたが、その後それぞれ用事ができて、結局最後までできなかった。その結果、今となっては振り出しに戻って、また手続きの対応を待たないといけないのだ。

今週の水曜日は、玲奈の祖父の命日だ。

青木おじいさんは首都で亡くなったが、Y市に埋葬された。

火曜日の昼、玲奈と青木おばあさんたちは空港に向かって、Y市へ墓参りに行く準備をする。

茜も同行した。

もともと玲奈は茜の航空券を予約していなかったが、ちょうど茜が青木家にいて、茜が行きたいと言うので、彼女を連れていくことにした。

以前、青木家がY市を離れてからは、めったにY市に戻ることはなかった。青木おじいさんが亡くなってからも、命日の数日間だけは毎年戻るようにしている。

青木家の古い家は、彼らがY市を離れた時点で、既に十数年間住んでいた家で、今になると、ほぼ四十年が経っていた。

数十年近くを経った今、古い家は頻繁に掃除されていても荒れ果てていて、人が住めたものではない。

そのため、近年になって、玲奈たちがY市に戻る際は、いつもホテルに泊まる。

玲奈と裕司にはまだ仕事があり、水曜日の夜には首都に戻らなければならない。

他の人々は……

青木おばあさんにとって、Y市は悲しみの街でもあって、長居するつもりはない。

真紀とその弟は首都で生まれ育ったから、Y市に深い思い入れはない。

だから、姉弟二人もY市に長く留まるつもりはないのだ。

今のY市には、青木家の人々にとって未練のある場所はあまりないようだ。

しかし、彼らが帰ってくるたびに、やはり古い家を一目見に行くのだ。

その夜、晩ご飯を済ませた後、玲奈と青木おばあさん
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Comments (260)
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桜花舞
シマエナガさん 前のコメント読んでます! 離婚届、、でも、それも届出ないとですよね? 届かないとって書き方、代理の人に頼んだってこと? 最初の、不動産の処理ができなくて、なかなか離婚届出しに行けないって意味かとずっと思ってましたが、、訳のせいなのかな? 家に来るようになり、、? さっぱり分からないですよね そうですね、智昭が執着して後悔して、優里とは結婚しないで足蹴にしてくれればいいです笑 600話の時点でパーティに笑いました! 作者さんがどんだけ読者を焦らしてノロノロ運転なのかが分かりますね!笑
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桜花舞
ゆーいさん あらすじ、字数制限があったので、最初の方は省い載せました 多分、後半が省略されてるだけっぽいですね、、汗 お騒がせしました!
goodnovel comment avatar
桜花舞
山本山さん やっぱりコメント消えてますよね! 私が書き込む直前まではあったんです。 でも、数数えたら1話少なかったのはその間に消えたのかも? それで、あれ?私最初の山本山さんのコメントに返信済みなのにボケててまた返信しちゃった?と思ったんです
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