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背徳と懊悩のラプソディ

Author: 水鏡月聖
last update Last Updated: 2025-03-18 17:45:38

 わたしにはパパがいない。はじめからいないのだ。遺伝子的に言えばいないことはないのだろうけれど、正確に言うならだれがパパなのかもわからない。 幼いころのわたしにとってそれは普通のことで、思春期を迎えたわたしにとってそれはコンプレックスでしかなかった。 時折『父のようなもの』を確認することはあった。家に帰ると母と親しくしている男性が家にいて、わたしを見るなり優しい言葉をかけてくれた。時にはお土産を持ってきたり、お小遣いをくれたりもした。 ある時はお酒を飲んで暴れたり、ママを殴ったり、ママが仕事をして稼いできたお金を持ってギャンブルをした。 ギャンブルをしてお金が無くなると、ときどきわたしの体を触って来る。そうなるとママは激しく怒った。そうなると男の人はまたママを殴り、そしてある日突然いなくなる。

 なぜうちにパパがいないのか。思春期ともなればそれがわからなくもない。 そして一度も定職に就いたこともないママが、どうやってわたしをこの年まで育ててきたのかだってわかるようになってきた。 もちろんわたしはママを愛している。 これまで育ててくれたママを尊敬している。 でも、中学生になると友達はわたしのママを馬鹿にするのだ。 バイタ、アバズレ、娼婦。 なんと言われようとわたしはママのことを嫌いになんかならなかった。嫌いになるわけがない。そんな苦労をするのは、わたしのことを愛してくれているから。わたしを育てるためにママが頑張ってきたという話なのだ。 何の苦労もしないで、パパとママの両方がいて、楽をして過ごしてきたガキにママをあざける資格などない。 わたしは友達を殴り、わたしには友達がいなくなった。 問題ない。わたしにはママがいてくれるのだから。

 ママには幸せになってほしい。 発育の進んだわたしに性的な暴力をふるおうとした者もいた。その時の母は強かった。勇ましく怒りに震え、男を追い出し、町を離れたりもした。 ある日、ママが直人さんを連れてきた。今までとはまるで違う人。誠実で、まじめで、一生懸命働く人。ママの仕事のことを知って、やめるように説得した。お金がないからと言い訳するママに「僕が面倒を見る」と言ってくれた。「結婚しよう」と言ってくれた。ママは、ようやく幸せになれるのだ。わたしはママが今までどれだけつらい思いをしてわたしを養ってきたのかを知っている。だから、ママには何として
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