Colorscape

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last updateLast Updated : 2023-02-20
By:  CatlivewithoutyouOngoing
Language: English
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Synopsis

Iris Grey lost her father at 10, and due to the never ending reminder of her father’s memory in there old home, they decided to move out, leaving her first love despite the pain. 8 years later, they come back home, only to find out her mom was going to marry her first loves father. She felt betrayed. And upon walking out due to anger, she find her way right at their old front lawn and right inside his father's office. Never been so confused as to why everything seemed to have not changed. She entered and saw the book she and her father used to draw together as both love colors and writing fantasies. Little did she know it was a portal to a whole new dimension. A parallel world where colors come from. The Realm of Hues. Stuck in a whole new world filled with conflict, with unfinished tasks and her first love turned to step brother, could she stop herself from falling deeper? Or would the love grow deeper than it was before. Prepare as we enter the realm of Hue.

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Chapter 1

Chapter 1

祝福の拍手が起こるはずだった、その瞬間だった。

「|朝比奈《あさひな》|小春《こはる》。お前との婚約を破棄する」

その声に、会場は水を打ったように静まり返った。

小春はゆっくりと顔を上げる。

目の前には婚約者である|門倉《かどくら》|悠真《ゆうま》。

悠真の手は、その隣に立つ小春の異母妹・|朝比奈《あさひな》|千夏《ちなつ》の肩を抱いていた。

千夏はお腹をかばうように両手を添え、震えている。

「お姉様……ごめんなさい」

小春と千夏の視線が絡む。

千夏の瞳の奥には隠しきれない優越感が滲んでいた。

(この計画があったから、こんな格好をさせたのね)

小春は自分の着ているドレスを見る。

今日のために新しく仕立てると聞いたとき喜んだ自分を愚かに思った。

はしたないほど肌の見えるドレス。

(これでは本当に"悪女"だわ)

会場に集まった医療関係者や財界人たちがざわめき始める。

「やっぱり悪女だったか」

「千夏先生を虐めていた話も本当だったんだ」

「御堂先生も被害者だな」

その囁きに小春は何一つ言い返さなかった。

言い返せないのではない。

言い返してはいけないのだ。

.

「千夏のお腹には俺の子がいる」

小春の沈黙を抵抗だと思ったのか、悠真が迷いなく言い放つ。

「俺は愛する女性と、その子どもを守りたい」

会場から感動のため息が漏れる。

「なんて責任感があるの」

「素敵……」

「悪女より可憐な聖女を選ぶなんて当然よね」

誰も彼もが悠真と千夏を称賛し、小春を蔑む。

その様子を見ながら、小春は静かに微笑んだ。

「分かりました」

小春のその一言に、悠真は眉をひそめる。

「引き留めないのか」

「引き留める理由がありませんもの」

虚無感に飲み込まれそうだ。

悠真との婚約は小春が生まれてすぐ、政略的に結ばれたもの。

恋だったのかは分からない。

それでも、大切な婚約者だった。

小春は千夏を見た。

正確にはその腹部を。

(子ども……)

子どもがいる以上、男と女の恋情の話ではない。

一つの命がかかわる問題だ。

「どうぞ、お幸せに……」

「……なんだ、その態度は」

淡々と返した小春の言葉に、今度は朝比奈家の当主であり、小春の父・朝比奈崇道が怒鳴り声が被さる。

「なぜお前はいつもそう千夏にきつく当たるんだ」

会場中の視線が小春へ突き刺さる。

「千夏に謝りなさい!」

「はい」

小春は何の迷いもなく頭を下げた。

「申し訳ありませんでした」

誰もが驚いた。

傲慢で自分勝手。

いつも家族を困らせていると言われている悪女が、あっさりと謝罪したからだ。

騒めきが戸惑いになる。

その瞬間――。

「お腹が……」

千夏が倒れ込んできて、小春の左腕を強く掴んだ。

幼い頃に負った怪我の後遺症がある場所。

「……っ!」

強い痛みが走り、咄嗟に振った腕に千夏が大きく悲鳴を上げる。

「千夏先生が!」

誰かの声で、会場は一斉に小春を非難しはじめる。

千夏の体は悠真が抱き留めて大事なかったが、力が抜けたように悠真に寄り掛かる。

「君という女はっ!」

悠真の怒りが小春に向く。

自分は何もしていない。

そう仕向けたのは千夏だ。

でも、小春の声を聴いてくれる者はいない。

「……申し訳ありません」

だから謝るしかできなかった。

それでも。

「心がこもっていない!」

「だから悪女なんだ!」

小春を責める声は強くなるばかり。

小春は知っていた。

どんな言葉も、どんな態度も、この人たちには届かない。

でも否定はしない。

悪女。

それが与えられた小春の役目だから。

「お前はもう下がりなさい」

父親の幕引きの言葉に小春は内心ため息を吐いた。

◇◇◇

小春が去った会場は、悠真と千夏の婚約を祝うパーティーになっていた。

悠真は千夏の肩を抱き寄せる。

「千夏、俺と結婚してくれ」

「もちろんよ」

再び拍手が起こる。

そんな会場を、端に立って鋭い眼差しで見つめる男がいた。

経済界でも社交界でも『冷酷』と恐れられる男――篠原樹。

「とんだ茶番だな」

樹はグラスを傍のテーブルに置くとパーティー会場を後にした。

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